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理想の選手はデ・ブライネ。16歳クラブ史上最年少でプロ契約のFC東京MF北原槙が描く自身の未来

■久保建英の記録を更新

自身の誕生日である2025年7月7日に16歳0日でプロ契約を結んだ北原。これは17年に16歳4カ月28日でプロ契約したMF久保建英(レアル・ソシエダ)を超えてクラブ最年少の契約となった。同時に背番号も53番から77番に変更。会見に臨んだ北原は「誕生日が7月7日で、この誕生日はいろんな人たちに覚えてもらいやすくて気に入っているのと、16歳の誕生日と同時にプロ契約していただいたこの喜びと感謝の気持ちを忘れないようにするために77番にしました」と変更の理由を語っている。

久保の記録を更新する形になったが「プロ契約はスタートラインにすぎないと思うので、勘違いせずにしっかり向上心を持って日々努力していければ」と自身の現在地をしっかりと認識している。

持ち味は攻撃力で「左右両足のキックや、相手の逆をつくパス、ドリブル」と話す。目標にしている選手はケヴィン・デ・ブライネ。「守備も攻撃もできますし、一番は見ている人が驚くようなプレーをするところ。得点もアシストもできる」と、マンチェスター・シティでの10年間で6度のプレミアリーグ優勝やチャンピオンズリーグ初優勝などに貢献したベルギー代表MFの名を挙げた。

現在16歳であり、18歳になれば海外移籍が可能となる。自身はサッカー選手として将来的にどういった目標を立てているのか。

「直近では、今まで試合に絡めていた中で、最近自分の実力(を発揮できなかったり)、結果を出していなかったので、試合に絡むことが難しくなっています。練習から高い強度を示してしっかり他の選手とは違うところを見せて、まずはこの東京で地位を確立して、東京を優勝に導くこと」

■東京で結果を残し、海外へ

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FC東京の先輩である久保がレアル・マドリーに移籍したのは18歳の誕生日直後のことだった。世界的に見れば、バルセロナのラミン・ヤマルは16歳でトップチームデビューを果たし定位置をつかむとともに、スペイン代表でも活躍している。

「3年後、5年後に関しては、やはり世界的に見ると僕の(今の)年齢もそうですが、世界のチームで主軸になっていかないといけないと思います。海外移籍をして、日本代表に選ばれることもそうです。まずはこのチームで結果を残してビッグクラブに移籍して、チャンピオンズリーグに出ることが目標です」

試合のなかで見せる、年齢を感じさせない物怖じしない強気なプレー、一瞬の判断力と技術に裏打ちされたプレー、戦術眼はやはり秀逸だ。

今の自分があることは「小さいころから練習につきあってくれた父や、ご飯を作ってくれた母のおかげ」と家族への感謝を述べ、家族以外にもお世話になった指導者・関係者への感謝の言葉を何度も何度も語っていた北原。そんな謙虚な姿勢を持つ逸材は、アカデミー出身としての思いも人一倍強い。

「今の東京の順位はあるべき場所ではないと思います。この半年で個人としてはまず試合に出続けること。もう1度スタメンで出て地位を確立すること。前半戦は若手のアカデミー出身の選手が出ていた中で、チームとして結果を残すことができませんでした。そういった面でも、アカデミーの選手がこの東京の歴史、伝統を受け継いで、新しいものを作っていく必要があると思います」

リーグ後半戦、背番号77を背負った「MAKI」はどんなプレーを披露してくれるか。本人が一番こだわる結果へのコミットも含め、前を見据える16歳から目が離せない。

北原槙(きたはら・まき)

2009年7月7日生まれ、東京都杉並区出身。JACPA東京FCでサッカーを始め、同時にFC東京サッカースクールにも所属。FC東京U-15むさしを経て25年からU-18でプレー。FC東京U-18に所属していた今年の2月に2種登録され、3月1日のJ1第4節・鹿島アントラーズ戦に15歳7カ月22日でデビューしJ1最年少記録を21年ぶりに更新した。今季はここまでリーグ戦7試合に出場している。

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