Jリーグは8日、サポーターがナチスドイツを連想させ得るデザインの旗を振ったため、京都サンガF.C.に対する懲罰として罰金100万円を科すことを発表した。
Jリーグの説明によれば、2月9日にサンガスタジアム by KYOCERAで開催された2020Jリーグプレシーズンマッチのセレッソ大阪戦にて、京都サポーターがゴール裏スタンドで人種差別主義を標榜、実践したナチスドイツ親衛隊が使用したものと酷似したデザインの旗を振ったとのこと。
当該サポーターは今回の旗と酷似したものを、2010年にその前年まで振っていた人物から譲り受け、2019年までのほぼすべてのホームゲームで使用。さらに、新スタジアムのオープンに合わせて同様のデザインの旗を新調し、C大阪戦で振っていた。
Jリーグが国際サッカー連盟（FIFA）及びアジアサッカー連盟（AFC）と連携しながら反人種差別の取り組みを進めてきており、また京都側も試合会場において不適切なものがないか目視確認してきたにもかかわらず、長期間看過された今回の問題。一方で、『Jリーグ規定』第135条には「1000万円以下の罰金を科す」と記されているが、酌量すべき事実として5つの事柄が挙げられている。
まず、京都サポーターが「旗のデザインの意味を理解せず、差別的意図を有していなかった」こと。さらには、京都は同クラブにおいて初めて起きた人種差別の重大さを速やかに把握し、「実行者の特定」に至ったことに加えて、「速やかに謝罪し、差別的思想を連想させる旗などの持ち込み、掲出を禁止。実行者に厳重注意」を行った。
そして、2月23日に開催された明治安田生命J2リーグ第1節レノファ山口FC戦では「スタッフがデザイン旗のチェックを実施し、再発防止に向けてすぐに具体的行動に着手」し、これから向けて「横断幕・旗デザインの事前承認制度を新設し、再発防止などの啓発に積極的に取り組んでいる」ことから、罰金100万円という決定に至ったようだ。
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