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「頭を使いながら技術でサッカーをする部分は負けたくない」。アストン・ヴィラへ向かう岩渕真奈の決意

12月21日、イングランド女子スーパーリーグ(FA Women’s Super League)アストン・ヴィラへの移籍が発表された岩渕。加入は2021年1月からとなる。日テレ・ベレーザを経て、13年ドイツ女子リーグ・ホッフェンハイムに移籍、14年からのバイエルン・ミュンヘンを経て日本に戻ると、17年よりINAC神戸レオネッサでプレーを重ねてきた。約4年ぶりの海外移籍。その決断の背景と新天地に向かう決意を聞いた。(取材・文=Goal編集部)

■今一番魅力的なリーグへ

 INAC神戸レオネッサから発表された退団時のリリースには、「私の中で今一番魅力的なリーグに所属しているチームから話をいただいて、迷う事なく行きたいと思いました」とあった。岩渕はその魅力をこう語る。

「なでしこジャパンでイングランド代表と戦いました。個々のレベル、パワーやテクニック、チームとしての完成度の高さを感じたのが一つです。二つ目は男子のプレミアリーグの女子チームであること。環境も良いですし、そこは魅力的な点でした」

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 なでしこジャパンは2019年の女子W杯グループステージでイングランドに0-2で敗れている。直近では今年の3月She Believes Cupでも0-1で敗戦。また、イングランド女子スーパーリーグは女子のトップリーグで、2020-21シーズン所属12チームのうち9チームがプレミアリーグ、3チームがチャンピオンシップのクラブが運営している。

「日本も来年からプロリーグ(WEリーグ)が始まるので、どれだけ良くなるかという楽しみもあったのですが、イギリスでプレーできる、素晴らしい環境でプレーできるチャンスをいただいたので。とにかく今は楽しみです」

 岩渕が加入するアストン・ヴィラはバーミンガムをホームタウンとするクラブ。2019-20シーズンに女子2部優勝を果たし、9月に開幕した新シーズン、クラブ初の1部を戦っている。現在8試合を終えて11位に位置するが、クラブはシーズン開幕前の「夏の時点で声をかけてくれていた」と明かす。

「新シーズンが始まる前の夏にイギリスに行きたいとずっと思っていました。コロナの影響もあったなか、1月のタイミングで(正式な)オファーをいただきました。それは必要とされているからこそだと思います。試合に出たいですし、オリンピックに向けてコンディションも落としたくないです。

移籍を決めるにあたって、監督、GMのかたとビデオ通話で話しました。サッカーの動画を見ながら話すなかで、私の特長を本当に理解してくれていることが分かりました。チームは個々の能力がそこまで高いかと言われたら決して高くはないとは思うんです。でも、初めての1部挑戦で、ビジョンもしっかりしていて監督自身もやりたいことを持っているとすごく感じて。本当に必要としてくれたので、ヴィラに決めました」

20201223-mana-iwabuchi🄫Getty Images

■とにかく、まずは試合に出ること

 チームの特長は、「若い選手が多く、発展の過程にあること」という。

「これからいろんな挑戦を考えているようです。その段階に少しでも関われるのはサッカー選手として幸せなことだと思います。とにかく、まずは試合に出ること。試合に出ることでしか味わえない感覚もあります。外国人枠があるので本当に今がチャンスという気持ちで決断しました」

 サッカーの母国・イングランド。サッカースタイルも大きく異なるがゆえに、「自分のプレースタイルは生きるんじゃないかな」と話す。

「海外の選手に比べたらスピードがあるわけではないので、一緒になってスピード感溢れるサッカーなんてできないと思うんです。でも、頭を使いながら技術でサッカーをするという部分は負けたくないポイントの一つではあります。自分の良さを100%毎試合出せるようにプレーしていきたいと思います」

 アストン・ヴィラは移籍に際し、「ワールドカップ優勝経験もある真奈は、刺激的かつ創造的なゴールスコアラー。私たちWSLの旅を前進させてくれるでしょう」と大きな期待を寄せている。27歳で決めた新天地での活躍を日本から応援したい。

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