元イングランド代表選手が、現同国代表MFジョーダン・ヘンダーソンのサウジアラビア移籍にショックを受けたようだ。
今夏に2011年から過ごしたリヴァプールと別れを告げ、かつての同僚スティーブン・ジェラード監督率いるサウジアラビアのアル・イテファクに完全移籍を決断したヘンダーソン。
リヴァプールで長らく主将を務めていた重鎮の唐突の移籍には、同選手がイングランドサッカー界でLGBTQ+コミュニティの代表的存在であったこと(サウジアラビアでは同性愛が違法)などから、あらゆる面で波紋を呼ぶことに。
先日にはヘンダーソン本人が『The Athletic』のインタビューに応じ、今夏にクラブが中盤を中心とする補強方針もあり「退団を求められることはなかったけれど、クラブやスタッフから残留を求められているようには感じなかった」とリヴァプールからの退団や、週給70万ポンド(約1億2900万円)とも報道されるサウジアラビア移籍についての胸中を明らかにしていた。
元イングランド代表のクリス・サットン氏は『Mail Sport』のポッドキャスト『It's All Coming Up』で、ヘンダーソンのサウジアラビア移籍について「彼はお金のためにサウジに行ったんだろう?それが本質だ」と指摘。本人がインタビューで語った「キャリアを通じてお金が動機になったことはない」というコメントを否定する考えを示した。
「数年前、ジョーダン・ヘンダーソンがサウジアラビア行きの可能性について質問されたことがあった。まだリーグが立ち上がったばかりの時だ。彼が当時興味を示さなかったであろうことは周知の事実だ。だから、サウジアラビアに行く唯一の興味は巨額の金を稼ぐことなんだ。そうだろ?別にそれでもいい。ただ、それを正直に言うことだ。文化についての議論に巻き込まれないようにね」
ヘンダーソンは移籍の理由として「同じポジションに新戦力が来ること」が主だと言及。ユルゲン・クロップ監督からも直接伝えられたことで理解を示し、戦いの場を移す決断をしたと話していた。
「ベンチに座ったり、残り10分から出場したりするのは嫌だ。それは代表でプレーできるかにも影響するしね」
しかし、サットン氏にとっては選手のこの決断にある種の落胆を感じていたという。「ジョーダンは自分の居場所を求めて争うことを望まないタイプのフットボーラーだとは、私には思えなかった」と、ヘンダーソンには、ポジション争いを歓迎して欲しかったという希望を言及。さらにサウジアラビアへの移籍について非難も加えた。
「ジョーダンは、長年にわたって真のファイターだと思われてきたタイプだ。ヨルグ(シュマットケ=リヴァプールのスポーツ・ディレクター)や(ユルゲン)クロップとの会話や、評価されていないと感じたことなど、私には理解できないよ。マクアリスターやショボスライのような選手とのポジション争いに耐えられなかったのかもしれないね」
「頭をどこかに埋めているのはジョーダン・ヘンダーソンだけ。そして、それは今の自分が頭を埋めるべきでないとわかっている場所だ」




