イルカイ・ギュンドアンは1月にプレミアリーグ月間最優秀選手に選ばれたばかりだ。ドイツ人選手としては1994年8月のユルゲン・クリンスマン、2017年10月のレロイ・サネに続いて3人目の快挙である。
ギュンドアンの勢いは2月になってもとどまることを知らない。3-0で勝利を収めた13日のトッテナム戦でも目覚ましい活躍を見せ、自身にとってプレミアリーグでシーズン10点目と11点目になるゴールを決めたのみならず、アシストも記録した。紛れもなく、現在のマンチェスター・Cで最も重要な選手の一人となっている。
そんなギュンドアンが『Goal』のインタビューに応えてくれた。いずれ監督になりたいという野心、そして監督としてのペップ・グアルディオラにとりわけ感銘を受けた点などについて話している。
■ペップに感心したこと
Getty Images――1年前のインタビューでは、いつか監督になる可能性もあるかもしれないと話していました。その場合”チームをまとめる”監督の役割と、あるいはむしろ監督よりはメディアの矢面に立つことの少ないアシスタントの役割のどちらにより魅力を感じますか? というのも、そもそもアシスタントコーチの方が戦術やトレーニングやマッチプランについて監督よりもずっと具体的に考えを練る立場にあるからですが…。
いずれ監督資格を取得しようと思ったらどういう手続きを踏めばいいのか、ちょっと前に少し情報を仕入れたところだ。そんなわけで、今はもうただ考えているだけって段階よりはいくらか前に進んでいる。けれど、その場合どんな方向性で行きたいのか、そこまでは今もまだやっぱり考えていない。そもそも、僕はこれまでいくつかのクラブに籍を置いていた間にペップや(ユルゲン)クロップ、トーマス・トゥヘルといった最高の監督たちの指導を経験してきている。そうすると非常に多くのことを学ぶものだし、キャリアを終えた後にそういった知識を次へ手渡すことができるんじゃないかと考えるんだよ。
――プレミアリーグのトップクラブの監督以外では、どの監督の戦術的アプローチが一番気に入っていますか?
常に積極的に試合を組み立てようと心がけて、いろんな障害があってもとにかくとんでもないことをやってのけるチームがあれば、テレビの前でニュートラルな立場で観戦している僕としては、そういうチームには好感を持つね。対戦相手が強いかどうかに関係なく、自分たちの戦術的哲学を守り続けることが大切だ。今シーズンはちょっと苦労しているけれど、ここ何年かではウォルヴァーハンプトンがその点で際立っていたと思うし、今シーズンではリーズ・ユナイテッドが頑張っている。今シーズン、僕たち自身がリーズとぶつかった時の結果(1-1)にしろ、昨シーズンのウルヴスにしろ、トップチームが相手だろうと攻撃的なフットボールでも成果が出せることはあるんだ。
――プレミアリーグ随一の戦術家といえば、やはりあなたのボスでしょう。マンチェスター・シティへ来てからグアルディオラの戦術に特に感銘を受けたのはどんな時ですか?
最初のシーズンが始まってすぐだった。最初僕はケガをしていたけれど、その後チームに合流すると、もう何年もああいうペップ流のフットボールをやっていたような気がしたんだ。彼はあっという間に自分のフットボール戦術をチームに飲み込ませることができるんだが、その素早さには感心するしかないよ。バイエルンにいた頃からそうだったけど、今季もまだ驚きを与えられ続けている。いまだにどんな練習メニューにも高いモチベーションで臨んでいるんだから。「ペップはもってせいぜい3年の監督にすぎない」と言われてきたけど、そんな非難をした者たちが間違っていたことを僕たちは今目の当たりにしてるんだ。
――グアルディオラの選手の育て方で一番印象に残っているのは誰ですか?
フィル・フォーデンの扱いについてはいろんな方面から批判が寄せられたりしていた。ペップはずっと以前から彼の資質をみんなの前で力説していたけれど、初めのうちはまだわりと短い時間しか試合に出していなかったんだ。だが、そのやり方もまたまさに正解だったことが今シーズンわかったね。ペップはいつでも彼に気を配っていたし、練習の時は特にそうだった。今のフィルはチームの中で並外れて重要な役割を果たしている。彼はリヴァプール戦で最高の働きをした選手の一人だったし、どんどんとよくなっている。ペップは時間をかけて慎重に彼を導いて、周りの意見に惑わされなかった。今では、フィルのようなヨーロッパで最高のタレントの一人が自分たちのチームにいることを皆が喜んでいるよ。
■「どんなに恵まれた立場にいるか…」
Getty Images――あなたは昨年夏、新型コロナウイルスに感染しました。以降、この問題に積極的に取り組んで、人々にも真剣に向き合うよう促していますね。
もちろん誰もがそれについていろいろなことを読みもすれば、テレビニュースで目にもしている。けれど、とにかく日常的に可能な限り用心深く過ごさねばならない。僕自身はトレーニングと試合の時以外はほとんど家を出ないでいる。買い物は同じ建物に住んでいる人が代わりに行ってくれている。僕はせいぜい外に出ている時にテイクアウトのコーヒーを買いに行ったり、そこらをぐるっと散歩するくらいだ。けれど、この頃はだいたい90%の時間を家で過ごしているよ。
――あなたは最近多くのチャリティープロジェクトに関わるようになっていますね。そういった問題を心にかけるようになったのはなぜですか?
そもそも僕はこういうことを世間に触れ回るのは嫌なんだ。僕にしてみればごく当たり前のことなんだから。ああいうプロジェクトが生まれたのにはいろんな理由がある。僕の親戚の何人かはドイツのルール地方で暮らしているし、僕があそこで人生とキャリアの大部分を過ごして、素晴らしい時間を送れたことにとても感謝している。だから、いろんな危機を抱えている地域に対して何かお返しをしたいと思ったんだ。ニュルンベルクでは、僕が以前通っていたギムナジウムの校長を通じてすべてが動き出した。どこを援助するのが一番いいか彼に尋ねたんだよ。マンチェスターの場合は自分が何年もすごく気持ちよく暮らしている町で、日頃からどこが一番大変な問題を抱えているかよくわかっている。秋の僕の誕生日とクリスマスの前に、特に障がい者施設と老人ホームを援助したんだ。その時は僕自身も出かけて行って、ガラス越しに施設に入っている人たちと話をすることができた。とても心を動かされる経験だったよ。
――マンチェスターのカフェやレストランにも援助の手を差しのべていますね。
僕がレストラン業界を援助している理由は、コロナの流行前に僕自身そういった店で家族や友人たちと一緒にとても多くの時間を過ごしていたのに、今ではたくさんの店がつぶれそうになっていたり、悲しいことにはすでにつぶれてしまっているからだ。とにかくレストラン業界の人たちが気の毒でしかたない。彼らには何の罪もないのに、とても厳しい状況に置かれているんだからね。だから、僕は自分がどんなに恵まれた立場にあるのかとてもよくわかっているし、僕にできるところでは助けになろうとしているんだ。
――夏には1年遅れでEUROが開催されますね。予定通り複数の国々で開催されるのか、ある一つの場所だけで集中開催されるのか、これまでのところまだUEFAは決定していません。あなたの意見はどうですか?
この先何週間かでそれを決めなければならない立場にはなりたくないね。これからしばらくはまだ感染者数の動向を見守らざるをえないだろう。けれど、もちろん今の状況では、たくさんのいろんな国で開催するというのはなかなか考えられないことだ。全体的な状況がはっきり改善されず、それでもEUROを開催するとなれば、最終的には2020年の夏にリスボンでチャンピオンズリーグをやった時のようなやり方に落ち着くかもしれない。あの時はかなり順調に運んだからね。けれど、チャンピオンズリーグよりもたくさんのチームが参加して試合の数も多いEUROの方がより大きなチャレンジになるのは間違いないだろうね。
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