Simeone GriezmannGetty Images

グリーズマンにキスをしたシメオネ「あれは選手としての彼にしたこと。彼はバルサに行ったことで自分の居場所がここだと気づいた」

アトレティコ・マドリーは4日のラ・リーガ第24節、本拠地シビタス・メトロポリターノでのセビージャ戦で6-1の大勝を飾った。ディエゴ・シメオネ監督は試合後、記念すべき一戦で大量得点での勝利を導いた選手たちへの満足感を表している

シメオネ監督はこのセビージャ戦がアトレティコ指揮官としての613試合目で、故ルイス・アラゴネス氏を上回ってクラブ歴代新記録を樹立。チームはその記念すべき一戦で6発を決めて、メトロポリターノに歓喜をもたらしている。試合後、普段であればすぐにロッカールームに通じるトンネルに引き上げるシメオネ監督だが、今回ばかりはピッチに入って「オレ! オレ! オレ! チョロ・シメオネ!」などのチャントを浴び、それに拍手と投げキッスで応じている。

試合後会見に出席したアルゼンチン人指揮官は、いつもより饒舌に、気持ちを入れた喋り方で、この一戦を次のように振り返っている。

「選手たちには二つのことを頼んだ。情熱とハートを持ってプレーしてくれ、とね。タレントは持っているのだから。彼らは最高のやり方で試合を解決してくれた。セビージャに打撃を与える術を理解していたいんだ。私はそのすべてを心に残している。彼らは監督の大切な日にしっかりと応えてくれたんだ」

この試合で最も輝いたのはグリーズマン。自身もミドルシュートを決めただけでなく、スルーパス、浮き球のパス、ボール奪取などで何度もゴールの起点となった。グリーズマンは自身のゴール後、シメオネ監督に駆け寄ってハグをしたが、試合後のフラッシュインタビュー中にはその隣でインタビューを受けていたシメオネ監督から頬にキスをされている。

「私はグリーズマンのような人間が好きだ。しかし、彼については選手としても大きく評価している。あのキスは選手としての彼にしたものだった。彼は私たちとともに素晴らしい日々を過ごし、ここを去るべきだとの考えに至った。が、それから戻ってくるために凄まじい努力をしたんだ。私たちが話をしているのは世界王者についてだ。彼は一線を画す選手なんだよ」

バルセロナからアトレティコに復帰した当初はサポーターからブーイングを受けていたグリーズマンだが、活躍目覚ましいここ最近には交代時などに大喝采を浴びるようになった。

「グリーズマンは私ではなく、アトレティコのために尽力している選手だ。バルサへ移籍して、そこで自分の居場所はここなのだと理解し、難しい状況が待ち受けていることを理解しながらも戻ってきた。彼は並外れた選手だ」

シメオネ監督は試合前日、SNS上でアラゴネス氏へのメッセージを公開。「あなたにとってアトレティがあなたの人生そのものだったことは知っている。でもあなたはアトレティが私のものであることも知っているはずだ」などと記していた。

「感情を説明するのは難しい。心が感じていることは言葉に訳せないからだ。私が誰かに何かを書かなければいけないとしたら、それはルイスに向けてのものだった。私たちは同じ道の上にいる。ルイスは私たちが永遠に敬意を表すべき存在であり、そして今、私がいる場所に以前いた人物だ」

「選手たちのエゴをどのように扱い、情熱をどのように共有するのか……全選手がクラブにとって必要な存在だ。コーチングスタッフに何を言うべきで、会見を介して選手たちに何を伝えるべきなのか……。ミスはできないし、正確な言葉を口にしなくてはいけない。ときには間違えることだってあるさ。しかし、それでも私は落ち着いて、心安らかでいられる。自分の愛する場所にいて、自分の好きなことをしているのだから、ね。私たちは、最後まで戦い抜かなければならない」

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