ドイツ代表のハンジ・フリック監督が、完敗となった日本代表戦について言及した。
日本代表は現地時間9月9日、国際親善試合でドイツ代表と対戦。ドイツとの一戦は、昨年のカタールワールドカップ以来となる再戦に。ドイツはこの代表活動の結果次第で、指揮官であるフリック監督の去就が考慮されると報じられるなど、重要な試合と位置づけられている。
試合は早々の11分、右サイドから菅原由勢のクロスに伊東純也がニアで合わせて日本が先制。19分にサネのゴールでスコアは振り出しに戻るも、22分に再び菅原のクロスから上田綺世が決めて勝ち越す。
後半、日本は4バックから3バックに変更。重心を下げてカウンターから攻撃を伺う形に。すると90分、ドイツの最終ラインでのビルドアップを久保建英がカット。ハーフウェーラインから持ち運んでGKとの2vs1でパスを選択。浅野拓磨が押し込んで3-1に。
さらにアディショナルタイム、久保のクロスを田中碧がヘディングで合わせて試合終了の笛。4-1で日本がドイツに圧勝。W杯に続いて白星を飾っている。
試合後、インタビューに応じたフリック監督は「日本が良いチームであることは認めなければならない。今の我々には、あのようなコンパクトなディフェンスを突破する手段がない」と日本へのリスペクトから切り出し、次のように語っている。
「試合の入りは良かったが、日本の最初のチャンスがゴールになった。その後、我々は1対1に追いつき、スタジアムの応援も後押ししてくれた。彼らは何度も何度もトライしたが、個々のミスもあった。相手はそれを利用したし、日本は勝利に値した」
そして、報道陣から敗因について問われると「今日は、このチームに勝てるコンディションではなかったとはっきり言わざるを得ない」と言及し、そこから日本がドイツに対して上回っている部分を指摘。
「日本人は皆、高度なトレーニングを積んでいて、基本をしっかり身につけている。我々ドイツサッカー界は、目を覚ましてこれらのことに取り組まなければならない」
12日に控えるフランス代表との試合については「今のところ、それ（上記で監督が指摘した部分）は助けにならないが、フランスに向けてしっかり準備するつもりだ。失望が大きいのは明らかだし、批判も理解できる。それについて言えることはそれだけだ」と切り替えることを明言。
最後に「我々はうまくいっていると思うし、私は正しい監督だ。でも、プロサッカーには多くのダイナミズムがあることも知っている。他に何が起こるかは予見できない」と、去就については予想が出来ないとしつつも、自ら指揮官を退く意思は無いことを強調した。