日本代表は17日、国際親善試合でカナダ代表と対戦した。
カタール・ワールドカップ(W杯)の初戦、ドイツ代表戦が23日に迫る日本。最後のテストマッチとして、同じくカタールW杯に出場するカナダと対戦した。
前日会見でカナダ戦の目的が「チーム全体のコンディションを上げるところ」にあると強調していた森保一監督は、状態が不安視される冨安健洋、遠藤航、守田英正、三笘薫の4選手が試合に参加しないことを明言し、試合には遠藤、守田、三笘がベンチに入らず。冨安がベンチスタートとなった。
スタメンには守護神に権田修一を選び、ディフェンスラインには酒井宏樹、谷口彰悟、板倉滉、伊藤洋輝。柴崎岳と田中碧がボランチでコンビを組み、2列目には相馬勇紀、南野拓実、久保建英が入った。1トップに浅野拓磨が入り、4-2-3-1の布陣で試合をスタートさせている。
試合序盤、日本はボールを保持しつつこの日右サイドに入っている相馬の仕掛けを中心に攻め込んでいく。すると9分、ピッチ中央付近でボールを持った柴崎の浮き球のパスに相馬が反応。最終ラインの裏に抜け出すとやや強引に合わせて先制点を奪取した。
3-5-2の布陣で構えるようにして試合に入ったカナダは失点後からギアを上げていくが日本は前線からのプレスで自由を与えない。17分には右CKからサイル・ラリンに打点の高いヘディングシュートを許したが勢いはなく事なきを得る。
日本は直後の19分に追加点を狙う。カウンターから南野が中央をドリブルで運んで左サイドにパス。これを受けた久保がボックス左まで侵攻してから鋭いシュートを浴びせたがわずかに枠を右に逸れた。
しかし21分、カナダが反撃を成功させた。再び右CKを与えてしまうとキッカーのデイヴィッド・ホイレットに速いボールを中央に蹴り込まれる。アティバ・ハッチンソンが触れてこぼれたボールをスティーブン・ヴィトーリアに押し込まれた。
同点となった後にセットプレーを中心にカナダに危険なシーンを多く作られる日本。35分にはボックス右でボールを持った久保が左足で狙ったがカナダDFに阻まれる。その後もホイレットの高い精度のキックから度々ゴールを脅かされ、なかなか主導権を取り戻すことができない日本。逆転こそ許さなかったものの押される展開で試合を折り返す。
多くの選手にプレータイムを与えたい日本はハーフタイムに3枚替え。酒井、久保、浅野に代えて山根視来、堂安律、上田綺世が入り、それぞれ山根は右サイドバック、堂安は中盤右サイド、上田は1トップを務める。それにより相馬は主戦場の左サイドに回った。
カナダの囲い込みにより蹴らされる選択が増えて空中戦に持ち込まれるシーンが目立つ日本だったが、上田が最前線で起点として奮闘。57分にはボックス手前左でファウルを受けてFKを獲得する。しかし、キッカーの堂安が直接狙ったシュートは壁に阻まれてしまう。
さらに59分にも上田が左サイドでボールを引き出してボックス手前中央に落とす。トラップして勢いよくボックス中央に侵攻した南野がカナダDFと交錯しながらも右足を振り抜いたが上手くミートせず得点には至らない。
日本は66分にも2枚替え。板倉と田中に代えて長友佑都と鎌田大地を送り出す。鎌田はそのままボランチに入り、長友は左サイドバックに入って伊藤がセンターバックで谷口の相方を務める。
所属するフランクフルトでも好調が伝えられる鎌田が低いポジションからボールに絡んで素早く前線まで繋いでいく。とはいえ、終盤にかけてカナダもややボール保持の時間を増加させて逆転を試みる。
日本は85分に最後のカードで南野に代えて主将の吉田麻也を投入。布陣を3-4-3に変更して勝ち越し点を目指す。
しかし後半AT、ボックス左で突破を図った相手を山根が倒してしまったことでPKの笛。キッカーのルーカス・カヴァリーニのキックにGK権田が触れたものの勢いを殺しきれずに逆転を許した。
直後に試合が終了し、カタールW杯前最後の一戦で敗戦を喫した日本。弾みをつけることはできなかったが、本大会初戦のドイツ戦は23日に迫っている。
■試合結果
日本代表 1-2 カナダ代表
■得点者
日本:相馬勇紀(9分)
カナダ:スティーブン・ヴィトーリア(21分)、ルーカス・カヴァリーニ(90+5分)
