FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長は、ヨーロッパのリーグ戦を国外開催する案について持論を展開した。
現地で大きな話題となっている欧州リーグ戦の国外開催案。先日UEFA(欧州サッカー連盟)は“例外的”としつつも、12月21日に予定されるラ・リーガのビジャレアルvsバルセロナ(アメリカ)、来年2月8日に予定されるセリエAのミランvsコモ(オーストラリア)の2試合について、国外で開催することを承認していた。
これまで、欧州リーグ戦の国外開催案は選手や監督、そして現地サポーターから強烈な反発が続いていた。そしてスペイン『as』によると、AFEなどラ・リーガクラブのキャプテンたちもこれに異議を唱えており、経営陣との直接協議を求めているという。また『The Athletic』は、サポーター団体の反発が激しい理由は上述の2試合が“前例”となって海外スポンサー誘致のために他国開催が当たり前になることを懸念していると伝えている。
そうした中でインファンティーノ会長は、ローマで行われた欧州フットボールクラブ連合(EFC)の総会で今回の国外開催案について言及。国内リーグや大陸間での大会など、フットボール・ピラミッドの構造を維持することが重要だと訴えつつ、「そうでなければ、最も適したもの以外が自然淘汰される無秩序な競争になってしまうだろう」と語った。
さらにスピーチ後のメディア対応で、「我々には国レベル、大陸レベル、そして世界レベルで試合を行う構造がある。この構造こそが、フットボールを世界一のスポーツにしたんだ。この構造を壊すというのであれば、巨大なリスクを伴うだろう。そして規制するには、綿密な検討が必要だ。我々が何をしたいのか、よりグローバルな視点で考えなければならない」とし、こう続けている。
「本当に全員がどこでもプレーしたい、やりたいことは何でもしたいのだろうか? それとも、すべての人の利益を考慮しつつ誰もが自国でイベントを主催できるような、規制されたシステムが欲しいのだろうか?」
なお『The Athletic』は、ビジャレアルvsバルセロナに関して詳細に報道。今後はFIFA、アメリカサッカー連盟、そして北中米カリブ海サッカー連盟の承認を得る必要があるものの、アメリカの裁判所はすでにこの承認を差し止めることが独占禁止法違反に当たるとの判決を下しているため、形式的な手続きが残るだけだと伝えている。




