キリアン・エンバペの移籍騒動は、パリ・サンジェルマン(PSG)内部に大きな混乱をもたらしているようだ。
2017年にPSGへ加入し、クラブ最多得点記録である212ゴールを奪うエンバペ。しかし今夏の去就が大きな話題となっており、現行契約が残り1年に迫る中、1年間の延長オプションを行使しないことを公言。新シーズンもPSGでプレーする意欲を示しているが、PSGのナセル・アル・ケライフィ会長は「フリーで出て行くことはできない」と断言した。さらに今夏の日本ツアーのスカッドから外れるなど、状況は複雑になっている。
そしてスペイン『マルカ』によると、今夏就任したばかりのルイス・エンリケ監督は状況にうんざりしているという。指揮官はエンバペを起用するかどうか決定する全権を求めていたが、日本ツアーのメンバーから外したのはクラブ側だった模様。エンリケ監督は適切であればフランス代表主将を自由に起用することを望んでいるため、この状況に苛立っており、すでに辞任を検討しているとも伝えられている。
しかし、スペイン『Relevo』がエンリケ監督の関係者に取材したところによると、本人は辞任などの決断は下していない模様。その一方で、現在に至るまでクラブ側が何の解決策を見いだせていないことに疲弊していると認めたようだ。指揮官は、上層部の命令に「操り人形のように」ただ従う気はないという。
なお、移籍市場に精通するファブリツィオ・ロマーノ記者は、PSGのスポークスマンの話として「今日の噂は完全に場違いであり、馬鹿げている」とクラブが報道を否定したことを伝えている。いずれにせよ、PSG周辺の状況は日に日に騒がしくなっているようだ。


