この中で最も傑出していた選手はセンターバックのディーン・ハイセンだろう。彼はすでに欧州ビッグクラブのトップチームで成長を始めている。
17歳の誕生日を迎える少し前の2022年4月初旬、ハイセンはマッシミリアーノ・アッレグリ監督に招集され、ユヴェントスのトップチームの練習に加わった。
トリノでの最初のシーズン、U-17チームで印象に残るパフォーマンスを見せたこのDFは、ビアンコネリで初めてトップチームの環境を味わうことになり、憧れの選手であり、かつ自身も比較されてきた選手から学ぶ機会を得た。その選手とは、マタイス・デ・リフトだ。
2人とも背が高く、金髪のオランダ人センターバックだ。優れた守備感覚とポゼッション時の落ち着きも持ち合わせており、2人が重ねられることは簡単に想像がつく。ユーヴェがこれほど早い段階から期待をかけているのも当然だ。
ハイセンは右利きだが、左足でボールを扱うことも苦にしない。身長は195センチで、試合を支配できるフィジカルも持ち合わせている。
「ディーンはとても万能な選手だ」と評するのはU-17オランダ代表のミーシャ・ヴィッサー監督。『TuttoJuve』に対してこう語っている。
「センターバックなのに攻撃面でもとても有効に働くんだ。守備については、適切なポジションを適切なタイミングで埋めることができる。持って生まれたサイズのおかげでデュエルに勝つことも得意だ」
「落ち着いているのも印象的だ。全くストレスを感じないかのようだ。ピッチでやるべきことによく集中できているし、試合のスピードやスタンドからのプレッシャーにも影響されないんだ」
ヴィッサー監督が語ったように、他のトップクラスのDFと比べてハイセンが優れているのは、攻撃面での能力だ。ボールを自身でファイナルサードまで運んでも、シュートチャンスに恵まれても真価を発揮する。
ユーヴェ加入後最初のシーズンでは、19試合に出場し7得点を挙げた。
また、PKのスペシャリストでもある。12ヤード先のゴールへ蹴り込む能力によって得点を重ねることができる。だが、オープンプレーでも危険な存在であることも証明済みだ。
ハイセンのゴールラッシュは今に始まったことではない。ユーヴェに加入する前の2020-21シーズンは、マラガU-17で得点王となっている。
実際、この能力は彼の血筋だと言えるかもしれない。父ドニーは短いプロキャリアではあったものの、アヤックスアカデミーの卒業生で、当時パトリック・クライファートとコンビを組んでいた。
ハイセン家はディーンが5歳の頃にスペインのマルベリャに引っ越した。そしてすぐに地元クラブのコスタ・ウニダCFに加わり、その5年後にはマラガからスカウトされ、契約を結んだ。
常に実際の年齢より上のチームでプレーしていたハイセンは、すぐにクラブアカデミーの宝として扱われるようになった。そして15歳でトップチームの練習に参加している。
2021年の夏が来ると、レアル・マドリーやセビージャといった欧州トップクラスのクラブや、プレミアリーグから少なくとも1チームが彼のもとにやってきた。
そんな中、ユーヴェのヘッドスカウト、マッテオ・トグノッツィはこのティーンエージャーをイタリアに連れてくることに成功した。プロへの道筋を示すことで過度にプレッシャーを与えず、また必要以上にハイセンを待たせることもしなかった。
確実に滑り出しは好調だ。ハイセンがレオナルド・ボヌッチやデ・リフトらとこなした練習について、アッレグリは好印象を受けたと言っていた。新シーズンは同様のチャンスをもっと頻繁に得ることができるのではないだろうか。
デ・リフトがバイエルン・ミュンヘンへ新天地を求めた今、ユーヴェの未来を担うのはハイセンになるだろう。そして、オランダ代表でそのデ・リフトとコンビを組む日もそう遠くはないはずだ。