ConteGetty Images

コンテがEUROを分析「多くの弓矢を持つイングランドはスペインと違いサイドが脅威」

元インテル指揮官のアントニオ・コンテ氏が、9日付のイタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のインタビューに応じ、11日にウェンブリー・スタジアムで行われるEURO(ユーロ)2020決勝などについて自身の見解を示した。

元イタリア代表指揮官でもあるコンテ氏はまず、6日の準決勝でイタリアPK戦の末、敗れて敗退したルイス・エンリケ率いるスペインについて持論を展開した。

「私は常にルイス・エンリケを指揮官として人間として尊敬してきた。偉大な才能を持つ多くの若手選手を起用し、フットボールの伝統国スペインで新たなサイクルをスタートさせようとしている。大会で確かに素晴らしいパフォーマンスを見せた。しかし私が下したイタリア戦の評価は、熱狂する他の多くの者の評価とは違う」

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「スペインのボール保持とゲーム支配がかなり話題になったが、ゲーム支配とは何を意味するのか? 私が理解する限り、ゴールにつながるようなプレーをすることであり、相手にとって危険な状況を作り出すことだと思う。この点から考えると、イタリア戦におけるスペインのゲーム支配は、それほど明らかなものではなかった」

「パス回しから相手のゴールへ向かうような縦への突破口が見つけるか、サイドから1対1の状況を作り出せなければ、危険は生まれず、実りのないプレーになる。ボール支配率に加えて、相手の脅威となる度合いを見ることが重要だ。いくらボールを支配しても、チャンスを作れず、シュートを打てず、ゴールを決めなければ勝利できないからだ」

■コンテはイングランドのサイド攻撃を警戒

続いてコンテ氏は、11日の決勝でイタリアを迎え撃つイングランドについて見解を示した。

「イングランドは多くの弓矢を抱えた強いチームだ。ボール回しをして後戻りするスペインと違い、常に1対1で勝負を挑んでくるので、両サイドは脅威になる。しかしドリブルや中央への切り込み、オーバーラップもあり、(ラヒーム)スターリングだけでなく、(ブカヨ)サカ、(フィル)フォーデン、(ジェイドン)サンチョ、(ジャック)グレアリッシュもいる。もちろんハリー・ケインもね。イングランドの弱点? ディフェンスラインからの組み立ての際にプレスを受けると、スペインほど上手にプレスをかわすことができないところだろう」

「イングランドはこの試合を待ち望んできた。EUROでの優勝経験がなく、唯一のワールドカップ優勝は1966年に遡る。ウェンブリーの声援はとてつもない後押しになるかもしれないが、選手たちがプレッシャーを感じてお荷物になる可能性もある。デンマーク戦でリードを奪われた時も、心理面でやや苦しんでいるように見えた」

またイタリアについても言及。「イタリアはふさわしいプレーで決勝までたどり着いた。イタリアは、応援は少ないかもしれないが、ピッチでの経験は相手に勝る。決勝を戦う意味だけでなく、どのように勝利を収めるべきかも知っているはずだ」とエールを送った。

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