FIFPRO(国際プロサッカー選手会)のセルジオ・マルキ会長は、FIFAクラブワールドカップとFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長を痛烈に批判している。
今大会から開催時期が4年に一度に変更、参加クラブ数も32チームまで大幅に増加するなど、生まれ変わったクラブW杯。13日の決勝戦でチェルシーがチャンピオンズリーグ王者パリ・サンジェルマンを3-0で撃破し、二度目の世界王者に輝いたことで約1カ月に及ぶ大会が終了している。
しかしこのクラブW杯に関しては、以前から批判の声も続出。大会期間中には記録的な猛暑や雷雨など天候面に関して選手からも不満の声が上がった。そして特に日程面に関しては、FIFPROがFIFAに対して訴訟を起こした他、元リヴァプール指揮官が「史上最悪のアイデア」と発言するなど、世界中で物議を醸している。
大会終了後、マルキ会長は「クラブW杯は多くのファンの熱狂と世界中のトップ選手が1つの大会でプレーする機会を提供しているかもしれない。だがこの大会は、世界中の選手が直面している現実との危険な乖離を隠すものだ」とし、痛烈に批判した。
「フットボールの世界的な祭典として提示されたものは、FIFAが作り上げて会長が宣伝した虚構に過ぎない。対話も、配慮も、日々の努力でフットボールを支える人々へのリスペクトも欠いていた」
そしてインファンティーノの会長について、華やかな催しを開催した一方で庶民には残忍で冷酷な態度を取ったとされる“暴君”、ローマ第5代皇帝ネロになぞらえて酷評している。
「この大げさな演出は、ネロ帝政ローマの『パンとサーカス』を彷彿とさせる。大衆を楽しませる一方で、舞台裏では不平等や危険性、そして真の主役たちへの保護が欠如している」
「大会は容認できない状況下で開催され、選手たちの身体的な安全性が危険にさらされている。我々は過密日程や選手の休暇不足、そしてFIFA側の対話不足を警告してきた。世界のプロフットボール選手会を代表する連盟の意見に耳を貸さないこの運営方法は、一方的で権威主義であり、人間の持続可能性ではなく、掲載的利益のみを論理として捉えているよ。我々は、マーケティングの手段として選手の健康を犠牲にし続けることはできない。当事者の声を封じ込めてしまえば、何も生まれないんだ」
なお『BBC』によると、インファンティーノ会長はクラブW杯決勝の前夜、他協会の代表者らと選手福祉に関する重要な会議を開催。しかし、FIFPROは招待されていないと伝えられている。
