日本では、16日に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝イタリア戦が大きな話題となったが、イタリアでは同日、セリエA首位ナポリと日本代表MF鎌田大地らが所属するフランクフルトの一戦が注目を集め、逮捕者も出る騒動となってメディア各紙の紙面を飾った。
今シーズンのセリエAで2位以下に18ポイント以上の差をつけるなど圧倒的な実力を示し、33年ぶりの悲願のスクデットへ独走を続けるナポリ。その勢いはチャンピオンズリーグ(CL)においても変わらず。16日にスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナで行われたCLラウンド16のセカンドレグにおいて、フランクフルトに3-0と快勝。2試合合計5-0でベスト8へ名乗りを上げた。
だがこの試合前、チケットの販売停止措置を受け、スタジアムに入場できないフランクフルトのサポーターがナポリ市の中心部に集結。『Fanpage』によれば、ナポリのサポーターがドイツのファンを取り囲むなどした末、警官隊と衝突する騒動に発展したとみられる。サポーターらは、石や棒、イスなどあらゆるモノを投げつけ、パトカーが炎上したほか、路上に駐車されていた住民の乗用車やバイクなども破壊されたようだ。
またフランクフルトのサポーターは、駆けつけたジャーナリストらに対してカメラを回さないよう脅す行為も見られたという。この騒動により、200人以上のサポーターらが拘束されたほか、16日の地元警察当局の発表によればイタリア人5名およびドイツ人3名が逮捕されている。
カタール・ワールドカップ(W杯)に出場できず、2大会連続でサッカーの祭典への切符を逃したイタリア。だがカルチョの国において、サッカーは依然として根強い人気を誇っている。日本ではイタリア系米国人のマイク・ピアッツァ率いるイタリア代表がWBC準々決勝で日本代表と対戦して大きな注目を集めたが、イタリア本国ではメディア各紙の紙面やツイッターのトレンドはCLナポリ対フランクフルトやその試合前のサポーターの衝突が飾ることになった。




