11日にUEFAスーパーカップ、チェルシー対ビジャレアルが北アイルランドのウィンザー・パークで行われ、90分間を1-1で終えた試合はPK戦6-5でチェルシーが優勝を果たした。
マンチェスター・シティを下してチャンピオンズリーグ優勝を果たしたチェルシーと、マンチェスター・ユナイテッドを破ってヨーロッパリーグ覇者(クラブ史上初タイトル)となったビジャレアルの対戦。試合は予想通り3-4-2-1のチェルシーがボールを保持して攻め込み、4-4-2のビジャレアルが堅守速攻で対応する展開となる。
基本的にカウンターのチームではないビジャレアルは、コンパクトな守備を見せながらもその速攻はことごとくチェルシーの良質なネガティブトランジションに阻まれる。そして27分、優位に試合を進めていたチェルシーが先制点を獲得した。ハヴェルツのグラウンダーのクロスを、ニアサイドのヴェルナーがパウ・トーレスを引きつけながらスルー。その後方に走り込んだツィエクが楽々とGKオブラクが守るゴールを破った。
チェルシーに押され続けて、ビハインドを負ったビジャレアルだったが、その後には同点のチャンスを生み出していく。33分にフォイスのスルーパスからディアがフィニッシュまで持ち込むも、これはGKメンディの好守に阻まれる。さらに45分にはジェラール・モレノが折り返したボールをアルベルト・モレノが叩いたが、こちらはクロスバーに直撃した。
そして後半になると、受動的だったエメリ監督のビジャレアルが一気に攻勢に回る。52分には前線でのボール奪取からG・モレノがポスト直撃のシュート。その後もハイプレッシング、右サイドバックのフォイスが中に絞った3バック気味のシステム(これで前半に躍動を許したマルコス・アロンソを封じることに成功)、さらには選手変更によってチェルシーを混乱させ、試合の主導権を握り続けた。
そうして74分、フィニッシュだけでなくゲームメイクでも攻撃の中心となっていたG・モレノが、彼らしくついにゴールをかっさらった。チェルシーの不十分なゴールキックから、アタッキングサードで前を向いてボールを持ったG・モレノは、前方に走り込むディアにボールを出してヒールでのリターンを受ける。そして利き足ではない右足で精度の高いシュートを放ち、メンディを破っている。ビジャレアルが、同点に追いついた。試合は1-1のまま90分を終えて、延長戦に突入する。
延長戦前半もビジャレアルが主導権を握る状況は変わらず、チェルシー陣地でボールを回し続ける。だがチェルシーも個の力は衰えておらず、99分にはプリシッチがポスト左をかすめるシュートを放つなど、勝ち越す可能性を十分に感じさせていった。
延長戦後半、チェルシーは108分にパウ・トーレスが見失ったボールからマウントが強烈な右足のシュートを放ったが、これはビジャレアル守護神アセンホのビッグセーブに阻まれた。以降はビジャレアルのG・モレノがガソリン切れとなったこともあり、チェルシーのペースが続く。だがトゥヘル監督のチームも数少ない速攻に望みをかけるビジャレアルも2点目を奪うことはかなわず、試合はPK戦に突入した。トゥヘル監督は延長戦終了直前、PK戦に備えてケパをピッチに立たせている。
先攻のチェルシーは1人目ハヴェルツのシュートがアセンホに読まれて失敗。対するビジャレアルの1人目G・モレノはケパの逆をつくシュートを決め切った。だがチェルシーの2人目アスピリクエタは成功、その一方でビジャレアル2人目マンディのシュートはケパにセーブされてスコアはタイとなる。
その後チェルシーは3人目マルコス・アロンソ、4人目マウント、5人目ジョルジーニョ、6人目プリシッチ、ビジャレアルは3人目エストゥピニャン、4人目モイ・ゴメス、5人目ラバ、6人目フォイスがいずれも成功。運命の分かれ目は7人目だった。チェルシーがリュディガーが決めたのに対して、ビジャレアルはアルビオルのシュートがケパに止められて決着。チェルシーが苦闘の末、1998年以来2回目となるUEFAスーパーカップ優勝を果たしている。




