チェルシーのサポーター団体は、共同オーナーであるトッド・ベーリー氏を非難する声明を発表した。
2022年にチェルシーを買収した実業家のベーリー氏。一方で、イギリス在住以外のファンが同国内でのコンサートやスポーツイベントのチケットを購入可能できるアメリカのウェブサイト「Vivid Seats」の取締役を務めている。しかし『The Times』によると、プレミアリーグ側は「Vivid Seats」を「無許可のチケットウェブサイト」と認識しており、ファンに対して「利用には細心の注意を払うように」と呼びかけている模様。イギリスでは、無許可の人物・団体が指定のサッカーの試合チケットを販売するのは犯罪行為と定められている。
チェルシーは以前にクラブとして「チケット転売行為への対策に取り組んでいる」ことを明かしており、シーズンチケット所有者にも利益目的でチケットを転売しないように注意喚起を行っている。昨年の声明では、「チケットを定価以上で販売していることが判明した場合、シーズンチケットや会員資格、アウェーゲームチケット制度へのアクセスなどを剥奪し、制裁の対象になる」と発表していた。
こうした状況に、チェルシー・サポーターズ・トラスト(CST)の広報担当者はベーリー氏を非難する声明を発表。「Vivid Seatsは現在、チェルシーの一般入場チケット数百枚を非常に高額で掲載している。これらのチケットはチェルシーFCのウェブサイトで販売されておらず、クラブ側はこれを“違法販売”とみなしているはずだ」とし、以下のように続けた。
「多くのCSTメンバーは、ベーリー氏とVivid Seatsの関係が『信頼の裏切り』と感じており、利益相反になっている可能性があると疑っている。最近のこれらの報告は非常に残念だ。これらの問題を調査し、サポーターの懸念に対処することはベーリー氏にとって最善の方法である。チェルシーやプレミアリーグの試合チケットがVivid Seatsのウェブサイトに掲載されていることは、適切ではないと考える」
現在「Vivid Seats」にはプレミアリーグ複数試合のチケットが販売されている模様。25日のチェルシー対サウサンプトンのチケットは98ポンド~1036ポンド(約1万8000円~約19万5000円)で販売されており、5月のリヴァプール戦(ホーム)は1700ポンド~2万ポンド(約32万円~約375万円)で取引されているようだ。
なお、「Vivid Seats」側は声明で「グローバル企業として、当社は常に現地の規制方針や手順を尊重し、遵守している。そのため当社の方針では、プレミアリーグチケットの販売を制限している。当社のマーケットプレイスに、プレミアリーグのチケットを出品しているイギリスの販売者がいないことを確認できる。さらにVivid Seatsは、イギリスの顧客に対してプレミアリーグのチケットを直接販売、または宣伝したことはない。価格設定に関しても、Vivid Seatsがチケットの基本価格を設定することはなく、その基本価格から収益を得ることもない」と発表。疑惑を否定している。


