Roman-Abramovich(C)Getty Images

チェルシーはどうなる? 「クラブ売却」は条件付きで可能へ、「移籍」「販売」などは…アブラモヴィッチ氏が資産凍結で先行き不透明に

イギリス政府は10日、チェルシーのオーナーを務めてきたロシア人実業家のロマン・アブラモヴィッチ氏に対し、資産凍結と渡航禁止令など制裁を科した。

民間人にも多数の犠牲者が出ているロシアのウクライナへの軍事侵攻。これを受け、クラブの管理・運営権を手放すことを明らかにしていたアブラモヴィッチ氏は2日、「クラブを売却することを決めた」と、2003年の買収から大きな発展を果たしてきたクラブを売却する意思を表明。入札期限が3月15日に設定されていた中、複数の億万長者が興味を持ってきた。

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そんな中、イギリス政府はウクライナ侵攻に出たロシアのウラジーミル・プーチン大統領と関係を持つ富豪「オリガルヒ(新興財閥)」の他の6人と共に、「ロシア政府からの利益や支援への関与、または関与したことのある人物との関係がある」アブラモヴィッチ氏に制裁を科した。

今回の制裁により、チェルシーは試合の一般チケットやグッズの販売、選手の獲得などが不可能に。クラブショップなども閉鎖されることになり、スタジアムで試合を観れるのは既にシーズンチケットを買っていた人のみになる。また、選手の獲得や現在チームに所属している選手との新契約締結もできないことに。ただ、この日までに成立していた移籍に関する他クラブへの未払い分や、選手やクラブスタッフに対する給与などの支払いは可能だ。

予定されている試合に関しては、「特別ライセンス」が発行され、10日に行われるプレミアリーグ第30節のノリッジ戦を含み、消化可能に。そして、クラブに関しては、アブラモヴィッチ氏やロシアに利益をもたらさないことを条件に、売却自体は進めることができる見込み。クラブは現在、売却プロセスを進めるために英国政府と話し合いを行っているが、いずれにせよ先行き不透明な状況だけに、今後のチームにも大きな影響を与えることになりそうだ。

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