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C大阪好調の要因は“選手層の厚さ”にある。主力の負傷離脱も…トップ3を狙える位置に

 セレッソ大阪は13日の明治安田生命J1リーグ第26節で浦和レッズを2-1で下し、リーグ戦4連勝をマーク。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏となる3位入りへ大きく前進した。ケガ人なども抱えるなかで、安定感を維持しているC大阪。果たしてその理由はどこにあるのだろうか。

■清武離脱も…浦和戦では田中亜土夢らが躍動

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 浦和戦は後半開始早々に松田陸が先制点を奪ったが、その後失点。しかし終盤、鮮やかな形で勝利を手繰り寄せる勝ち越しゴールを決めてみせた。

 松田陸、水沼宏太、鈴木孝司と右サイドでダイレクトにボールがつながり、中央寄りに走り込んだ松田が受けた瞬間、左サイドに陣取っていた田中亜土夢がペナルティエリア外側の中央に移動した。そして横パスを受けると、自身の目の前がポッカリ空いた。

以下に続く

 「いいテンポでトラップした瞬間、周りを見たら誰もいなくて『ああ、打てるな』と。『決めればヒーローになれる』とも思いましたね」

 そう話す田中は迷わず右足を一閃。GK西川周作が守るゴール左隅に鋭いシュートを突き刺した。

 この一撃が決勝点となり、浦和に競り勝ったC大阪は4連勝を達成。あらためてミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の内容と結果の両面にこだわる姿勢が明らかになった。

 今回の白星でACL出場権獲得も射程圏に入ってきたC大阪。だが、昨季は9月以降失速した苦い過去がある。しかも、ロティーナ体制となった今季、キャプテンとしてチームをけん引してきた清武弘嗣の離脱という厳しい状況にも直面している。

 先月28日の練習中に右ハムストリング筋損傷に見舞われ、全治8~10週間と診断された。その穴をどう埋めるかは、これから終盤戦に突入するチームにとって重要な課題でもある。

 清武離脱に伴い、指揮官は9月1日の川崎フロンターレ戦から柿谷曜一朗をスタメンに抜擢。左サイドに据えているが、柿谷自身はポジショナルプレーの戦術を頭で理解しながら思うように表現できない現状に苦しんでいる。

 「尹(晶煥前監督)さんの時から左サイドをやってたけど、あの時は感覚でやっていた部分が多い。だけど今はそうじゃない。ロティーナさんにはきちんとしたやり方がある分、体と頭が迷う時がある」

 それでも浦和戦では何度かドリブルの仕掛けやチャンスメイクを披露。後半開始早々の松田の先制点の場面でも、背後にいた丸橋祐介のドリブル突破を巧みに引き出す黒子の働きを見せた。柿谷の出場によって、攻撃陣に新たなバリエーションが生まれつつあるのは確かだ。

■選手層の厚さ

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 その一方で冒頭の通り、殊勲の決勝弾を挙げた田中も、左サイドの先発候補として名乗りを挙げている。

 「僕はここまでずっと左サイドでやっていた。キヨがケガをして曜一朗が抜擢されたのには悔しい気持ちもありますし、結果が大事だっていうのをすごく感じたので、それを表現できたのはよかったかなと。自分も先発に近づきたいので、その気持ちを前面に出して練習からやってきたい」

 2試合連続でジョーカー起用された31歳のベテランアタッカーは、そう言って闘志をみなぎらせている。今回の得点によって彼の序列が上がることも十分にあり得そうだ。

 そしてもうひとり、C大阪攻撃陣の選手層向上に一役買っているのが、川崎フロンターレ戦でJ1初ゴールを決めた鈴木だ。浦和戦でも66分からブルーノ・メンデスと交代し、田中の決勝点につながる的確なボールの引き出しを見せた。今後は鈴木を最前線に据えて奥埜を左に回すようなオプションも考えられるだけに、その扱いが注目される。

 「セレッソに来て1カ月になりますけど、自分が入ってから勝利という結果がついてきているのは選手として嬉しいこと。川崎F戦で点が取れたのもよかったです。ただ、それで満足したら終わり。今回はシュートがゼロだったので、もう少しゴール前でプレーすることが大事だと思います」

 自らの課題を口にする鈴木がゴールを量産できるようになれば、ロティーナ監督にとっても非常に心強い。浦和戦のようにブルーノ・メンデスや奥埜らFW陣が点を取れない状況も想定されるため、新たな得点源が必要でもある。

 彼ら3人のみならず、ケガから復帰した高木俊幸がプレーできる状態になっており、長期離脱の都倉賢もシーズン中には復帰する見通し。さらなる競争がチーム力向上につながり、「誰か出ても点を取って勝てる状態」になれば、目標であるACL出場権獲得にも手が届くはず。

 C大阪は次戦は18日に天皇杯4回戦でサガン鳥栖と対戦する。その後は28日にガンバ大阪とのダービーを迎える。大一番で弾みをつけてさらなる高みを目指すことができるか。ロティーナ・セレッソにとって勝負のときが訪れようとしている。

文=元川悦子

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