レアル・マドリーがホームで問題を抱えた。今シーズンのサンティアゴ・ベルナベウの戦績は決して芳しくない。バレンシアとレバンテ相手の失望のドローは十分に悪い結果であった。そして20日の夜に行われたレアル・ベティス戦でのショッキングな敗戦により、ロス・ブランコスは現在ラ・リーガで首位を走るバルセロナとの勝ち点差が7と広がっている。クリスティアーノ・ロナウドが出場停止処分から復帰したものの、ジネディーヌ・ジダン率いるチームは早々にリーガ優勝争いから脱落してしまう危機に瀕している。
当然、リーグ優勝は全38節中のわずか5節目で決まることはなく、まだまだ長い道のりが続いていく。しかし、ここのところのシーズンではリーガ優勝チームは勝ち点90以上を獲得していることを考えると、今シーズンも優勝候補最右翼と目されたレアル・マドリーが、シーズン序盤のこの段階ですでに勝ち点を7も取りこぼしている状況は好ましくない。
8月のバレンシア戦でマドリーは、29本ものシュートを放ち、そのうち多くは決定的チャンスと呼べるものでありながらも、2つのゴールしか決めることができなかった。結果は良いものではなかったが、パフォーマンス自体はポジティブなもので、マドリーが勝つべき試合であった。しかしながら、その試合がこの憂慮すべき事態の始まりであったようだ。
レバンテとの試合はロス・ブランコスにとってはよりフラストレーションのたまるものだった。マドリーは先制したものの、その後は決定力を欠いた。カリム・ベンゼマは試合途中で負傷退場し、ガレス・ベイルはゴール前でミスを重ね、サンティアゴ・ベルナベウのサポーターたちから強烈なヤジを浴びたのだった。

前節、17日に行われたアウェーでのレアル・ソシエダ戦では、ベイルが2014年のコパ・デル・レイ決勝のバルセロナ戦でのゴールを彷彿とさせる、自陣から70mを駆け上がって素晴らしいゴールを決めた。しかしながらホームのベルナベウでは、相手チームが引いて守備を固めて戦うこともあり、彼のスピードを活かすスペースはそれほど残されていない。水曜日のベティス戦でも惜しくも相手ゴールキーパーとポストに阻まれた素晴らしいシュートがあったものの、スタジアムのファンたちは不満気に指笛を彼に浴びせたのだった。
後半、マドリーにとっての先制点となるべきであったシーンは、ベイルの最高のクロスをロナウドが合わせたシーンだが、シュートはゴールマウスを捉えられず。この日、リーガ復帰戦となったロナウドにとっては難しい夜となり、12本のシュートを放ちながら、枠内を捉えたシュートはそのうち2本だけだった。
マドリーはセンターフォワード不在の状況に苦しんでいる。ベンゼマは負傷により離脱中、そしてアルバロ・モラタは今夏にチェルシーに移籍したことで、ストライカーの不在が問題となっている。若手の有望株であるボルハ・マジョラルはソシエダ戦で良いプレーを見せたが、ベティス戦ではメンバー外となっていた。
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Getty典型的なセンターフォワードタイプの選手がいない状況で、マドリーは攻撃のバランスを失っているようであり、ベイルは相手にスペースを消され、この試合にメンバーをローテーションさせて臨んだベティス相手でさえロナウドの復帰も上手い具合には働かなかった。
この試合を無得点で終えたことでマドリーの連続得点記録は73試合でストップした。それにより、1960年代にペレがいたサントスの持つ記録の更新もならなかった。
さらに悪い方に話を持って行くとすると、バルサB出身のミッドフィルダー、トニ・サナブリアのアディショナルタイムのヘディングでのゴールによりベティスが3ポイントを奪ったことで、マドリーはわずか5試合しか経過していない時点でバルセロナに勝ち点を7ポイントも差をつけられることになった。
まだ序盤戦ながら、すでにドラマティックな状況に置かれ、好調バルサの姿を見失うだけでなく、すでにリーガ優勝戦線からの脱落の危機であるという予想しなかったこの状況を打破するために、ジダンには解決すべき問題が山積みされている。
文=ベン・ヘイワード/Ben Hayward




