Union Berlin Bochum(C)Getty Images

“ライター投げ込み事件“で試合結果がボーフムの2-0勝利に変更…ウニオンは異議申し立てへ「この裁定はサッカーに大きなダメージを与える」

ドイツサッカー連盟(DFB)は9日、スポーツ裁判所が昨年12月のウニオン・ベルリン対ボーフムの試合結果をボーフムの2-0での勝利とすることを発表した。ウニオンは同日、この裁定に対して異議を申し立てを行うことを伝えている。

昨年12月14日にウニオン本拠地で行われたブンデスリーガ第13節のこの一戦は、1-1の状況で後半アディショナルタイムへ突入。すると、ホームスタンドから投げ込まれたライターが頭部に当たったとボーフムGKパトリック・ドレ―ヴェスが負傷交代に。試合は30分近くの中断を経て再開されたものの、前半に三好康児がレッドカードを受けていたボーフムは5人の交代枠を使い切っていたため、9人でピッチに戻り、残り時間はFWのフィリップ・ホフマンがGKを務めることになった。

結局、試合はその後互いに攻撃することなく、スコアも動くことはなく1-1のまま終了。一方で、ボーフム側は試合直後に試合を再開すべきではなかったと正式に抗議。そして、DFBスポーツ裁判所のシュテファン・オーバーホルツ委員長は試合結果を2-0でのボーフムの勝利に変更するとした上で、「審問の結果、ボーフムのGKパトリック・ドレーヴェスはライターを頭部に投げつけられたことにより負傷し、出場の可能性が制限されたと考えなければならない」と説明。「ベルリンの観客によってボーフムのチームが不利となった。DFBの規則によるとウニオン・ベルリンの責任となる」と述べている。

しかし、ウニオンは数時間後に異議申し立てを行うことを表明。ディルク・ツィングラー会長はクラブの公式ウェブサイトで「コンサートやスポーツイベントでステージやピッチへ物を投げ込む人物がいるだけでも十分酷いことだ。残念ながらこういうことを防ぐことができる主催者はいない。だからこそ、そういうことをする人物を特定し、イベントから取り除き、行為の模倣を抑止するためにできる限り重い罰則を科すことが重要だろう」と前置きすると、「だが、特に無関係の第三者も大きな不利益を被る場合、どの主催者も防ぐことができない出来事から利益を得ようとするのはもっと酷いことだ。そういうことがここで起きている。スポーツに反する実際のスキャンダルは出来事の後、ピッチ上で起こったこと、そして今日の裁判所で起ったことだ」と主張した。

同会長はさらに「この判決はサッカーに大きなダメージを与えるもので、容認べきではない物の投げ込みを防ぐこともできない。むしろ、将来的には試合結果がチームの競技におけるパフォーマンスではなく、暴言や侮辱、(爆竹などによる)煙、あるいは物の投げ込みにより左右されるというリスクにさらされることになる」とも強調。「1チームが不利となるか、試合が中止、それとも続行となるかはいつでも主審1人の判断であるべきだ」と続けている。

なお、申し立てが認められなかった場合、最下位のボーフムは順位は変わらないも17位ホルシュタイン・キールと勝ち点(「8」)で並ぶことに。また、ウニオンも12位と順位は変動しないが、13位アウクスブルクと同じ勝ち点(「16」)となる。

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