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“ちょっとしたクライシス”認めるマインツ幹部、川﨑颯太ら新加入選手の現状にも言及

マインツのスポーツ部門を統括するクリスティアン・ハイデル氏は、インタビューでチームが「ちょっとしたクライシスに陥っている」ことを認める中、川﨑颯太ら新加入選手の状況にも言及した。

ボー・ヘンリクセン監督率いるマインツは、2部ディナモ・ドレスデンとのDFBポカール1回戦、キプロスのオモニア・ニコシアとのUEFAカンファレンスリーグ・グループフェーズ開幕戦をいずれも敵地で1-0と制したものの、ブンデスリーガ第6節終了時点の戦績は1勝1分け4敗と低調。佐野海舟がマインツでの自身公式戦初ゴール&アシストを記録するなど、4-1の大勝を飾った第4節アウクスブルク戦を除けば勝利から遠ざかっており、勝ち点4で16位に低迷している。

0-4で惨敗を喫した直近の第6節ハンブルガーSV戦後、ニコ・ブンガートSD(スポーツディレクター)は「ちょっとしたクライシスと言えるだろう」とコメント。地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』のインタビューでこの表現について問われたハイデル氏も「“クライシス”という言葉に異論はない。なぜなら、我々はこれまでブンデスリーガで1勝1分しか挙げられていないというのが事実だからだ」と答えたうえで、「このスタートには満足できない。勝ち点は4しかなく、順位も16位。小さなクライシスと言っていいだろう」と認めている。

さらに同氏は、「我々の問題は、ボー(ヘンリクセン)監督とも完全に意見が一致しているが、これまで“マインツらしい”サッカーをできたのは、アウクスブルク戦の一試合だけだということだ」とも述べ、そのほかの試合では本来のプレースタイルを発揮できていないと指摘した。

「ほかの試合ではボールをよく支配し、非常に高い位置を取って支配的に進めていたが、決定機の数は少なく、逆にカウンターを受けやすかった。ボールを横に動かすだけで、我々の持ち味であるダイナミックなプレーに入れなかったんだ。誤解しないでほしい。私はポゼッションに反対しているわけではない。ただ、それが効果的でなければ意味がないということだ。我々は本来の、相手にプレッシャーをかけ、攻撃的に、縦へと速く仕掛けるというスタイルから離れてしまった。相手チームも当然マインツに対策を取っていて、“読まれている”という声があっても、我々は再びマインツ05らしさをピッチで取り戻さなければならない」

マインツは今夏の移籍市場で、エースだったドイツ代表FWヨナタン・ブルカルト(→フランクフルト)を失った一方、その後釜としてウニオン・ベルリンからFWベネディクト・ホラーバッハを獲得。さらに京都サンガFから川﨑颯太、シュトゥルム・グラーツからデンマーク人FWウィリアム・ボーヴィングを迎え入れたが、ホラーバッハは開幕戦の負傷で離脱を余儀なくされ、川﨑とボーヴィングは出場機会をほとんど得ていない。とはいえ、新加入選手が「アピールできていないのでは」との質問に対して、ハイデル氏は次のように答えている。

「それはあまりに単純な見方だ。新しい選手が来て、すぐに出場できると考えるのは間違いだ。昨季、我々はリーグ6位で終え、それからレギュラーを1人だけ失っている。そのことは新加入の5人も理解している。彼らにとっても学びの過程であり、チーム内の競争次第でもある」

「たとえば川﨑颯太はパウル・ネーベルやイ・ジェソンとポジションを争わなければならない。ボーヴィングも同じだ。監督は勝つ可能性が最も高いと考えるメンバーを選ぶ。ある時はベンチ外かもしれないし、別の時にはチャンスが与えられる。川﨑やボーヴィングもそうなるだろう。忘れてはならないのは、ブンデスリーガでまだ6試合しか終えていないということだ」

また、ハイデル氏はチームが昨季も不安定なスタートを切っていたことに触れ、「今回も必ず立て直せる」と強調。代表ウィーク明けの第7節レヴァークーゼン戦(18日)に向けて、「私が常に求めるのはひとつだけだ。全員で一緒に乗り越えること。それこそがマインツだ。それが“私たち”だ。この精神を忘れなければ、きっとまた軌道に戻れると確信している」と力を込めた。

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