マインツのボー・ヘンリクセン監督は『The Athletic』のインタビューで今シーズンの序盤を振り返り、自身の指導哲学を語った。MF佐野海舟についても言及している。
ブンデスリーガ第28節を終えた現在、勝ち点46で4位につけているマインツ。直近のリーグ戦3試合は2分1敗と勝ち切れていないが、3位フランクフルトとの勝ち点差は「2」。勝ち点45の5位RBライプツィヒや勝ち点44の6位ボルシア・メンヒェングラットバッハが背後から迫っており、来季の欧州コンペティション出場権を争う熾烈な戦いが続いている。
そんなマインツだが、今季は開幕からのリーグ戦9試合はわずか2勝と低調なスタートを切っていた。昨年2月、11ポイントで降格危機に瀕していたチームの指揮を託され、見事に残留へ導いたヘンリクセン監督は、今季序盤に苦戦が続いた理由として「恐怖」という言葉を挙げている。
「シーズン序盤に問題だったのは、最も重要な選手を3人失ったことで、チームに再び“恐怖”が戻ってきてしまったことだろう。ロッカールームの中はざわついていた。もちろん、みんなは昨季(後半戦)にできたことを土台にして今季につなげたかった。良い経験を積んでいた。しかし、今やチームは引き裂かれてしまったんだ」
「100%の確信はなかった。あったのは“恐怖”だ。自分たちはやれるのか?我々が新しく加えた選手たちは十分なクオリティがあるのか?ブラヤン(グルダ)のようなプレーヤーの代わりになれる選手はいるのか?中盤の中央で海舟はレオ(バレイロ)のように活躍できるのか?でも、我々はそれから成長し始めた」
転機となったのは3-1で勝利を収めた第10節のボルシア・ドルトムント戦。マインツはその後の7試合で6勝を挙げ、今季リーグでは初めてバイエルンに黒星をつけたチームにもなった。今年に入ってからも、2月~3月は4連勝を含む6試合負けなしを記録している。
「本当にファンタスティックなことだ。突然、パウル(ネーベル)がどれほど素晴らしい(グルダの)後継者なのかを示してくれた。それに中央の海舟に関しては…もう『ワオッ』って感じだね。彼をどうやって発見したのか、私も知りたいくらいだよ」
また、デンマーク人指揮官はインタビューで自身が監督業を目指した理由についても言及。「私も昔はサッカー選手だったんだ」と明かすと、このように続けた。
「あまり上手い選手ではなかったが、長い間この世界に身を置いていた。そして私がコーチになりたいと思った唯一の理由は、“恐怖”のない環境、有害な男性性に支配されない環境、そして常に一番で最強でいなければならないというプレッシャーのない環境でも、成功は実現できると示したかったからだ」
「私は恐れを持たず、笑顔でサッカーや人生のあらゆることに取り組む人たちには、何だって可能だと信じている」


