佐野海舟や川﨑颯太が所属するマインツは、今季、残留争いのシーズンを迎えることになるのだろうか。ドイツ紙『ビルト』の番記者は「だから今回は本当にマインツが心配だ!」と題した記事で、数々の課題を指摘している。
昨季6位でフィニッシュしたマインツは、ブンデスリーガ第8節終了時点で1勝1分け6敗と低迷し、16位に沈んでいる。29日に行われたシュトゥットガルトとのDFBポカール2回戦でも0-2で敗れて敗退。UEFAカンファレンスリーグでは2連勝と結果を出しているものの、ボー・ヘンリクセン監督が控え組を多く起用するなど、あくまで二次的な大会として割り切った姿勢も見せている。
こうした中、ユルゲン・クロップ氏がマインツで最後のシーズンを迎えた2007年から同クラブを取材している『ビルト』のペーター・デア記者は、シュトゥットガルト戦を受けて「今回は本当に心配だ」と警鐘を鳴らした。この試合で平均年齢が29.6歳だった守備陣について、「結局のところ年齢は問題ではない。重要なのは良いか悪いかだけだ。だが、この守備陣はいま、集中切れがあまりにも多い!」と嘆き、中盤についてはこう続けている。
「いま高いレベルでプレーできているのは、ナディエム・アミリただ一人だ。彼はチームを立て直そうと、何度も強い意志で試合を掌握しようとしている。しかし、そのアミリでさえ、次第に一人では限界を感じている。隣でプレーする佐野海舟は、昨季は台頭株だったが、いまはやや疲れが見え、彼らしくないミスも増えている。さらに、昨季2列目から得点を挙げていたイ・ジェソンやパウル・ネーベルのゴールも欠けている」
さらに記者は、ヨナタン・ブルカルトを欠くFW陣についても「いまのマインツの前線には“ストライカー陣”という言葉がふさわしくない。これほどまでに相手ゴール前で迫力を欠くマインツは、久しく見たことがない」と厳しく批判。今夏に加入したMF川﨑、DFコンスタンティン・ショップ、DFケイシー・ボス、FWヴィリアム・ベーヴィングらについても「まだ誰ひとりとして結果を残せていない」とし、「補強方針は不運に映る」とクラブの補強活動に疑問を投げかけた。
また、ヘンリクセン監督については「監督はアイデアを欠いているように見える。少なくとも外向けには、依然として楽観的で明るい性格を保っている」と記す一方で、「だが、それで今の状況を打開できるだろうか? デンマーク人指揮官はメンバーこそ入れ替えているが、実際には何も変わっていない。常に同じシステムで、多少“つなぎ志向”か“ロングボール中心”かの違いがあるだけ…。対戦相手にとっては、対応が容易になっている」と疑問を呈している。
なお、デア記者が唯一の希望として挙げたのは、幹部クリスティアン・ハイデル氏の存在だ。「彼はこれまでの経験を通じて、常に何とか正しい判断を下してきた。もし残留を守るために根本的な変更が必要だと感じたなら、必ず動くだろう。それがこれまで全面的に信頼を寄せてきた監督の問題であっても、あるいは冬の補強であっても、ためらうことなく実行に移すはずだ」と期待を寄せている。


