フライブルクのクリスティアン・シュトライヒ監督が、チームの攻撃陣が抱える課題や日本代表MF堂安律のプレーについて語った。
過去2シーズンのブンデスリーガを6位と5位でフィニッシュし、DFBポカール決勝や準決勝に勝ち上がったフライブルクは2シーズン連続でヨーロッパリーグに出場。一方で今季は序盤から複数の主力メンバーが負傷離脱していることも響き、チームパフォーマンスがなかなか安定せず。特に昨季前半戦に大きな存在感を放っていた攻撃陣が今季は開幕から調子が上向かない印象だ。
そして、シュトライヒ監督も攻撃時のプレーを課題の一つと見る模様。EL第5節オリンピアコス戦(30日)の前日会見でより多くのチャンスを生み出すための取り組み方を問われた際、26日のダルムシュタット戦(1-1)を振り返り、「後半にはマティアス・ギンターも打てた場面で、リツがシュートし、ゴール上に外してしまったが、それも良いチャンスだった。我々はたくさんの期待できるシチュエーションを迎えたが、何度か判断が良くなかったり、ラストパスが届かなかったり走りが良くなかったりした」と説明した。
「一つの課題は逆サイドの判断だろう。例えば右側で突破したとしたら、左インサイドハーフや左ウイング、ノア(ヴァイスハウプト)やヴィンチェ(ヴィンチェンツォ・グリフォ)が、リツやマックス(マキシミリアン・エッゲシュタイン)のサイドでの突破の可能性に注目しなければならない。逆も同じだ。そして、後ろにいる選手が前の選手に指示しながら、ゴールを脅かすためにバイタルに入ることだ」
記者はELグループ突破を決められるオリンピアコス戦で「どのような要素が必要になるか」と質問。シュトライヒ監督は「ゴール」と返し、改めて自チームの攻撃について続けている。
「もう少し落ち着きが必要だろう。例えばリツは(ダルムシュタット戦は)良いプレーを見せてくれたと思う。前半は非常に目立っていたし、裏に抜けたときの彼にあと2~3度パスできていたらきっと一度はGKと1対1になる可能性もあった。だが、フィニッシュに持ち込んだときは枠を捉えられなかった。精度に欠け、十分ゴールを脅かせていない。それはわかっている」
「ヴィンチェもそうだ。ボールが右側のとき、ヴィンチェもオープンプレーではもっとゴールを脅かすべきだ。ノアもルキ(ルーカス・ヘーラー)も同じだ。それはみんなそれぞれが知っていることだし、いつもテーマにしても意味がない。ビデオ分析では指摘するが、何週間かゴールを決めなかったからといって批判することはない」
「ただ、走りや痛い目に遭うかもしれないスペースへ動く決意、それらについては話す必要はある。もちろん、ダルムシュタットのように巨人たちがたくさん立つボックス内に入るのは余裕なことではない。そして賢く動けば、そんな相手の前にボールを受けることもあり得る。リツが3メートルからヘディングゴール(ボーフム戦)を決めたときのようにね。重要なのは我々のサッカーが良い構造を持ち、そういったシチュエーションが生まれることだ」
なお、ドイツ誌『キッカー』がダルムシュタット戦後に紹介したコメントでもシュトライヒ監督は堂安について言及。「一度リツがペナルティエリア右で1対1になり、相手DFがタックルしようとした。昨季ならドリブルを仕掛けてからボールをうちの選手が2人いる中央にパスしただろう。そうすればゴールになっていた。でも今は違う判断し、直接クロスを試みた結果、相手に当てCKとなった」とコメント。度々堂安のプレーに触れるのは、今季公式戦2ゴール1アシスト(+1本のPK獲得)にとどまるアタッカーへの期待の表れなのかもしれない。


