今冬の移籍市場で小杉啓太を獲得したフランクフルト。現地メディア『フランクフルター・ルントシャウ』は「3つの戦略的メリット」をもたらすと取引を高く評価した。
フランクフルトは18日、冬の移籍市場でスウェーデンのユール・ゴーデンから小杉啓太を獲得した。この取引がフランクフルトにとって単なる補強以上の「3つの戦略的メリット」をもたらすと現地で高く評価されている。
現在、フランクフルトの左サイドバックは22歳のナサニエル・ブラウンが絶対的な主力として君臨しているが、1月の過密日程を前に彼のバックアップ確保は急務だった。
ディノ・トップメラー監督は、「ケイタは非常に勤勉でテクニックもクリーン。攻撃的な推進力があり、1対1でも優れている。彼の規律と労働倫理は、チームに大きな柔軟性をもたらしてくれるだろう」と小杉の能力を絶賛しているが、小杉の加入によりブラウンに休息を与えることが可能になるだけでなく、トップメラー監督が長年検討してきた「ブラウンの守備的MF(ボランチ)起用」という戦術的シフトも現実味を帯びてきたとのこと。小杉が左サイドを埋めることで、ブラウンを中盤に上げ、チームが抱えるボランチ不足の課題を一気に解消する狙いがあるという。
スポーツディレクターのマルクス・クレシェ氏は、小杉を「即戦力と先行投資の両方に対応する選手」と主張。多少の適応期間は必要とされるものの、様々な経験を持つ小杉は、比較的早い段階でブンデスリーガのピッチに立てると期待しているようで、まずはブラウンのバックアップとしてスタートしつつ、欧州エリートクラブが熱視線を送るブラウンが夏以降に移籍した場合、そのまま正左サイドバックの座を継承するシナリオも描かれているとのことだ。
そして三つ目としては、「有望な若手を獲得し、育成して数年後に高額で売却する」というフランクフルトが成功を収めてきたこのビジネスモデルに、小杉は完璧に合致するとのこと。現在、ブラウンにはロンドン、ミュンヘン、マドリードといったビッグクラブから関心が寄せられており、移籍金は高騰し続けている。ブラウンが抜ける穴を、同様のプレースタイルを持つ小杉で事前に埋める戦略は、経営面でも理にかなった一手のようだ。

