20210321_Ao Tanaka_KawasakiF(C)Getty Images

田中碧の獲得を実現させた独2部デュッセルドルフ…幹部は日本との関係強化を目指す方針

ブンデスリーガ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフは先日、川崎フロンターレから買い取りオプション付きのレンタルで日本五輪代表MF田中碧を獲得したことを発表。地元メディア『sportstadt-duesseldorf.de』で、クラブの幹部が日本人選手の獲得の重要性を強調している。

ドイツ人の父を持つ東京生まれのU-21ドイツ代表MFアペルカンプ真大も所属するデュッセルドルフは、田中はクラブ史上9人目の日本人選手。現ガンバ大阪FW宇佐美貴史や今夏、2部ハノーファーから1部ウニオン・ベルリンに移籍したMF原口元気も期限付きでプレーし、日本代表級の選手たちが過去に過ごしたクラブとはいえ、複数のオファーから選べたと見られる田中の加入は一味違う補強となる。

田中の代理人とは4年前から交流があると明かす補強担当のウーヴェ・クライン役員は獲得がついに実現したことを喜んでいる。「彼は中盤ですべてのポジションをこなせて、私は彼に関してとても良いフィーリングだよ」と大きな期待を寄せる様子をうかがわせると、買い取りオプション行使の可能性について問われ笑顔を浮かべて反応。記事によれば、デュッセルドルフでも行使可能の金額に設定されていることをほのめかしたという。

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一方、同メディアはトーマス・レットガーマン会長はクラブにとっての日本人選手を獲得する意味についての言葉も紹介。デュッセルドルフ市にはドイツ国内で最も多くの日本人が住み、日本企業の支社が所在することを挙げる同会長だが、「ここの日本人コミュニティの規模が大きく、お互いへの特別な関心が生まれたんだ」と指摘し、「クラブとしては、初めて日本人選手がフォルトゥナでプレーしたころからそれに気が付いている」と話している。

同会長は日本企業から興味が寄せられるようになり、「それによって、この地域のほかのクラブに比べても特別な地位が与えられ、フォルトゥナとしてはそれを利用することができ、そうするべきと考える」と説明。「中期的にはクラブが日本でより目立った存在になるようにすべきだろう。実際に、話をするために日本に向かわなくてはならない」とも続けた。

昨季は5位に終わり、1シーズンでの1部復帰を惜しくも逃したデュッセルドルフ。成績次第で、今後初の海外挑戦の場として選ぶ日本人選手がさらに増えるかもしれない。

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