出口の見えない迷路に、迷い込んでいた。1月31日の今節を迎えるまで10試合勝ち星なし。背後には降格圏の足音が迫る。ブンデスリーガ第20節・ボルシアメンヒェングラッドバッハ戦に臨んだブレーメンに漂っていたのは、切実なまでの勝利への飢えだった。
その思いは、菅原由勢のプレーに宿っていた。前線からの積極的なプレスでミスを誘い、鋭い仕掛けで好機を演出。47分には相手GKの好セーブに阻まれたが、強烈なシュートであわやゴールかと思わせる場面を作った。
だが、試合の主導権を握っていたはずのブレーメンは61分、一瞬の隙を突かれてカウンターで失点を喫した。
「前半からどっちに転ぶかわからない展開の中で集中力を保って守れた部分はあったと思う。ただ、後半勝負になるだろうというところで、ああいうカウンターから失点してしまう。チームの脆さをものすごく感じています」
菅原は痛恨の失点シーンをそう振り返る。そして、失点直後に命じられた交代。パフォーマンス自体は悪くなかったが、チームを勝たせられないままピッチを去る悔しさがその背中に滲んでいた。
試合は最終盤、劇的な展開を迎える。「あの若さで一貫してパフォーマンスを出せてるのは本当にすごい」と菅原が称賛する長田澪が、町野修斗の決定機を顔面ブロックでセーブ。その執念のセーブがチームに勢いをもたらし、アディショナルタイムに同点弾が生まれ、辛くも引き分けに持ち込んだ。
「こういう状況だからこそ、勝ち点1でも積み上げていくことはすごく大事だと思う」
そう前を向く一方で、菅原は自分に課せられた課題を再確認している。右サイドを上下動し、守備を完遂した上で、さらに攻撃の「数字」を残すことが求められていると。
「点を取るためにゴール前に入っていかなければいけないし、守備もやらせてはいけない。とにかく前にも後ろにも走らなければいけないポジション。いつかボールが自分の前に転がってくることを信じて、やり続けるしかない」
自分の役割を信じて走り続けること。その泥臭い継続の先に、迷路を抜け出す光があるはずだ。



