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「知らない人の言葉に価値はあるのか?」ベリンガムが語るSNSの誹謗中傷…「過去には傷ついているのに“男らしい自分”を演じ続けてしまった」

レアル・マドリードに所属するイングランド代表MFジュード・ベリンガムが、SNSにおける誹謗中傷、アスリートのメンタルヘルスについて語っている。

“スポーツ界のアカデミー賞”と称されるローレウス世界スポーツ賞を主催するローレウス財団は、10月10日の世界メンタルヘルスデーに際して、財団のアンバサダーを務めるベリンガムの映像を公開。ベリンガムはその映像において、自身とSNSの向き合い方や、メンタルヘルスについての考えを赤裸々に語った。

SNSの発展によって誰もが容易に意見を発信できる時代になった一方で、アスリートを傷つける言葉、誹謗中傷も増えている。ベリンガムはそうした現状について触れ、皆がメンタルヘルスへの理解を深める重要性を訴えている。

「バーミンガムで若手選手だった僕は、『ツイッター』で自分の名前を入力して、自分について言われていることを読み漁っていた。ただ、ふと気づいてしまったんだ。『たとえコメントがポジティブなものでも、なぜ自分を知らない人が考えることに価値を与えないといけないんだ?』って」

「アスリートにとって、SNSには価値がある側面もある。でも僕は、まだ若手だった頃に気づいたんだ。そこには回避すべきネガティブな要素もあることも。実際に、多くのアスリートたちがそうしていることも把握している。プロスポーツ選手は自ら探す必要なんてなしに、ネガティブなことや重圧をもう十分に感じているものだ。今の自分がネガティブなコメントを見ても影響を受けることはないが、それでも見ないようにはしているよ」

「SNSやテクノロジーが発展して、誰かを攻撃したり、傷つけたりする方法を増えているけど、メンタルヘルスについてはまだ偏見が存在していると思う。僕にも自分の弱さを感じるとき、自分自身を疑うときがあって、そういうときには話をする誰かが必要だった。でも同時に、僕はスポーツマンとしてのマッチョ(男らしい)な自分を、“誰も必要としていない”という自分のイメージを保とうともしてしまったんだ。本当は皆と一緒で僕も誰かが必要なのに。自分の気持ちや感情を吐き出せるならば、ずっと良い精神状態でいられるんだ」

「アスリートが自分の弱さをさらけ出せるなら、暗闇の中で闘う人々のために有意義だと思う。僕や同じような立場の人々は、そういう模範になるべきなんじゃないかな」

「憎悪の感情はアスリートにとって非常に厳しいもの辛いで、メンタルヘルスに問題を抱えている人々と共感できると僕は思っている。スポーツは誰もが意見を言う権利があるものだ。だけど、ひど過ぎる意見には制限を設けるべきだと思う。僕自身は精神的に深刻な問題を抱えたことがない。でも、苦しんでいる人たちの近くにいたことはあるし、そういった様子を見るのはつらいことだ。だから自分は、メンタルヘルスに問題を抱える人にとって、話ができる人間でありたいと思っている」

「フットボールやスポーツは、自然に人々をつなげることができる。話をしたり笑ったり、他人とつながるツールとして機能している。そして気がついたら、友達ができているんだ。自分の人生がうまくいっていないときに、そういう話をできる友達ができているんだよ」

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