フランクフルトのMFマリオ・ゲッツェは過去の自身に向けて手紙を書いている。『DIE ZEIT』が伝えた。
ドルトムントの下部組織出身で、2009年にトップチームデビュー。ドルトムントでは香川真司らとともに2度のブンデスリーガ優勝を経験し、2013年にバイエルンへ。その後、ドルトムントに復帰し、PSVを経て2022年からフランクフルトでプレーしている。
ゲッツェは著書『Stimmen der Eintracht』の中で、ドルトムントからバイエルンへと移籍するという当時物議を醸した決断について、自身への手紙という形でこう振り返っている。
「FCバルセロナの伝説的な監督であるペップ・グアルディオラがミュンヘンに行き、2012年の冬にバイエルンからオファーを受けたとき、僕の決断は少年時代から抱いていたFCバルセロナへの憧れにも影響された。僕はバルサのサッカーが大好きだった。自分もあのサッカーがしたかった。ペップもそうだし、幼い頃の記憶、オールゲーウで育ったこと、当時大好きだったFCバイエルンに近かったことも影響している。当時はいろんなクラブが僕を欲しがっていた。バルセロナ、バイエルン、どこにでも行けたよ。もう少しドルトムントにいてくれ。その方が君のためにもなるし、成長にもなる」
「そのアドバイスには注意を払っていなかった。自分自身、自分のキャリアしか見ていない。僕は頑固で野心的だった。ブンデスリーガで2度優勝し、2冠を達成したこともあった。でも、それでも何も変わらなかった。移籍のことは頭にあった。誰が僕の決断を変えるよう説得できたのかわからない」
「まだ気づいていないのは、自分のために下した決断が他人を傷つけるということだ。君が想像している以上にね。君は自分自身、自分の道、自分のキャリアしか見ていない。そしてこれまでのところ、あなたは抵抗も失敗も経験していない。すべてがうまくいっている。君には展望が欠けている。君は自分の信念しか持っていないんだ」
なお、ゲッツェはバイエルン時代に3度のリーグ優勝、クラブ・ワールドカップ優勝を経験。しかし、絶対的なレギュラーを獲得していたとはいえず、本人としても後悔に近い感情を持っていたのかもしれない。