27日のラ・リーガ第22節、バルセロナはホームでのビジャレアル戦を3-5で落とした。
スペイン・スーパーカップ、そして今季の“保険的タイトル”とされたコパ・デル・レイと、10日間で2タイトルを失ったバルセロナ。ラ・リーガはチャンピオンズリーグとともに優勝の可能性が残されたタイトルだが、レアル・マドリーに勝ち点10差、ジローナに勝ち点8差をつけられている状況で、もうつまずくことは許されない。
チャビ監督はマルセリーノ監督率いるビジャレアルを迎えたこの一戦で、GKイニャキ・ペニャ、DFクンデ、アラウホ、クリステンセン、フォント、MFギュンドアン、ロメウ、フレンキー・デ・ヨング、FWラミン・ヤマル、レヴァンドフスキ、ジョアン・フェリックスを先発させている。
試合は予想通りバルセロナがボールを保持し、ビジャレアルが堅守速攻でゴールを狙う展開。ホームチームは14分、J・フェリックスがミドルでゴールをうかがったが、これはGKヨルゲンセンの好セーブに阻まれた。対して速攻からより効果的な攻撃を仕掛けていたビジャレアルは、バエナとジェラール・モレノのゴールがオフサイドで取り消される場面がありながらも(とりわけスルロットのオフサイドで取り消されたG・モレノのゴールは疑問が残るものだった)、41分に先制に成功する。スローインによる展開から、ペナルティーエリア内中央のG・モレノがスルロットの横パスを左足で枠内に流し込んだ。
チャビ監督はハーフタイムに3選手を交代し、フォント、クリステンセン、ロメウを下げてクバルシ、ペドリ、カンセロを投入した。しかし迎えた後半、再びスコアを動かしたのはビジャレアルだった。54分、ロングボールによる展開から、カンセロがコントロールし切れなかったボールをアコマックが拾い、そのままペナルティーエリア内に侵入。バルセロナの下部出身FWは、飛び出したイニャキ・ペニャもかわしてボールを枠内に転がしている。
2点ビハインドを負ったチャビ監督は58分、J・フェリックスとの交代でフェランも投入。そしてバルセロナはここから、フェランの“ティブロン(サメ)”としてのメンタリティーにも引っ張られて、一気に攻勢に転じた。
バルセロナはまず68分、レヴァンドフスキがトラップし損ねたボールを拾ったギュンドアンが狙い澄ましたシュートを決め切って1点目。さらに68分にはラミン・ヤマルの右サイドの突破を起点として、ペナルティーエリア内のペドリが右足でボールを叩き込んで同点に追いつく。そして71分には左サイドからのフリーキックを獲得し、ギュンドアンの上げたクロスがバイリーのオウンゴールを誘発してついにスコアをひっくり返した。
逆転を果たしたチャビ監督は77分、レヴァンドフスキを下げてヴィトール・ロケを投入。だが85分、バルセロナは再び守備の脆弱さを露呈してしまう……。速攻から途中出場ゲデスにペナルティーエリア内への侵入を許し、左足のシュートを枠内に突き刺された。
スコアをタイに戻されたバルセロナは90分、ギュンドアンがペナルティーエリア内で放ったシュートが眼前で飛び上がったコメサーニャの肘部分に当たり、主審はPKを指示した。が、VAR介入後のオン・フィールド・レビューでPKは取り消しに。チャビ監督はこの判定に対して、テレビカメラを見ながら「ベルグエンサ(恥だ)」と言い放っている。
その後はどちらも決勝点を狙う極めてオープンな展開に。そして99分、バルセロナのペナルティーエリア内でアラウホのクリアミスからスルロットがシュートを決めて、ビジャレアルが勝ち越した。バルセロナはその後、執念の猛攻で何とか同点に追いつこうとしたが、102分に再びカウンターからモラーレスのゴールを許して、4-4にしたかったスコアは3-5に……。試合はそのまま終了のホイッスルが吹かれた。
連勝が3でストップしたバルセロナは、同日にラス・パルマスを下した首位レアル・マドリーに勝ち点10差をつけられ、翌日にセルタ戦を控える2位ジローナには勝ち点差を11に広げられる可能性がある。




