バルセロナは12日にラ・リーガ第21節、敵地ラ・セラミカでのビジャレアル戦に臨み、1-0の勝利を飾った。
2位レアル・マドリーがクラブ・ワールドカップに参加していたため、この試合で勝利すれば勝ち点差を11まで広げて、さらなるプレッシャーをかけられる首位バルセロナ。対戦するビジャレアルの指揮官は選手たちとの不仲やバイエルン戦2-8大敗など、半シーズンだけ率いたバルセロナで痛烈な経験をしたキケ・セティエン監督。解任された古巣との対戦は初めてだ。
ブスケツを負傷で欠くチャビ監督は代わりにケシエを起用して、クアトロ・セントロカンピスタス(4人のMFたち)のシステムは継続。GKテア・シュテーゲン、クンデ、アラウホ、クリステンセン、バルデ、MFペドリ、デ・ヨング、ケシエ、FWラフィーニャ、レヴァンドフスキ、ガビをスタメンとした。対してエースのジェラール・モレノを負傷で欠くビジャレアルは、普段スタメンのチュクウェゼをベンチに置き、コクラン、カプエ、パレホ、バエナとバルセロナに対抗するように中盤にアタッカーではないMF4枚を並べている。
ボールを求めて主導権を握ることを好み、そのためにハイプレスを仕掛ける両チームの対戦は、どちらもボールを保持できない肉弾戦の様相を呈する。その中で個々のクオリティーが光ったのはバルセロナ。開始3分にはペドリのスルーパスからレヴァンドフスキが最終ラインを突破してGKレイナと1対1になるが、このシュートはバイエルンの元チームメートに止められた。
絶好機を逃したバルセロナだが、スペイン・スーパーカップ優勝から波に乗るチーム状態は明らかだった(連敗中のビジャレアルとは対照的だ)。彼らが先制点を決めたの17分のことだ。その直前にハフィーニャへのパス精度が狂って、腕を思い切り振って悔しがっていたクンデが、相手陣地で積極的なプレスからバエナからボールを奪ってショートカウンターを発動。ペナルティーアークでペドリがレヴァンドフスキとのワン・ツーからエリア内に入り込み、右足のシュートでネットを揺らしている。
クンデのパスミスをしたときの悔しがり方、その後のボール奪取と、選手がワンプレーへのこだわりをピッチ上でここまで表現するのは、チームがうまく回っている証拠だろう。レヴァンドフスキとペドリのワン・ツーと言い、これだけ質の高い選手たちがワンプレーにこだわる姿勢に、現在のバルセロナの強さを垣間見ることができそうだ。
先制したバルセロナは、さらに25分に再びレヴァンドフスキがシュートチャンスが迎えるも決め切れず。対するビジャレアルは32分、コクランがひざを痛めてプレー続行不可能に。同選手は自ら立つことができず、涙を流しながらストレッチャーでピッチを後にして、代わりにチュクウェゼが投入されている。アクシデントに見舞われたビジャレアルは前半アディショナルタイム、モラレスが単独でペナルティーエリア内左に侵入してシュートを放ったが、これは枠の左に外れた。
後半はより攻守が激しく入れ替わる展開となり、バルセロナはジェレミ・ピノに手を焼くもののアラウホの好守もあって失点を許さず。しかし自分たちもハフィーニャがシュートチャンスを逸するなど、点差を広げることはかなわなかった。またも勝負を決めきるゴールが足りないバルセロナは、終盤にビジャレアルの波状攻撃を受けることになったが、チーム全体で気持ちのこもった守備を見せて虎の子の1点を最後まで守り切り勝利。再びその堅守を発揮して、ウノセロ(1-0)で勝ち点3を獲得した。
公式戦16試合無敗(14勝2分け)、ラ・リーガ6連勝のバルセロナは勝ち点を56として2位レアル・マドリーとの勝ち点差を11とした。なおラ・リーガのこの段階で、勝ち点8差以上で首位に立つチームが優勝を逃した前例は存在しない。




