バルセロナは20日にラ・リーガ第10節、本拠地Spotifyカンプ・ノウでのビジャレアル戦に臨み、3-0の勝利を飾った。
チャンピオンズリーグ(CL)敗退濃厚、そしてクラシコに敗戦と失望の1週間を過ごしたバルセロナ。CLはともかくとして、ラ・リーガで落としたのはわずか勝ち点3であり、彼らはここから立ち直らなくては、何よりも再びプレーの手応えをつかまなくてはならない。
チャビ監督は先発メンバーを変更。アンカーをブスケツからフレンキー・デ・ヨング、両ウィングをデンベレ&ハフィーニャからアンス・ファティ&フェラン・トーレスに代え、ローテーションのほか新たな可能性を模索している。
7万人近くの観客が集まったカンプ・ノウ。クラシコ敗戦に渋い顔つきの人も多く見受けられたが、バルセロナは前半からからの表情を喜びに変えている。序盤はフィニッシュフェーズで決め手となるプレーを欠き、ダンジュマらを起点とするビジャレアルの速攻ん苦しんだバルセロナだが、ハーフタイムまで残り15分になると一気に爆発。30〜37分に3得点を記録して、勝負をほぼ決めてしまった。
30分に決まった先制点では、ペドリのスルーパスからジョルディ・アルバが左サイドを突破してグラウンダーのクロス。これに反応したレヴァンドフスキは巧みなトラップでパウ・トーレスのマークを引き剥がして、右足のシュートでネット揺らした。そして35分に追加点を決めたのも、レヴァンドフスキ。ペドリの中盤でのボール奪取からカウンターを発動させ、ボールを持ち上がったガビのパスからポーランド代表FWが右足のシュートを沈めた。レヴァンドフスキのラ・リーガ記録はこれで、10試合11得点となった。
そして37分には、アンス・ファティもゴールを決める。ペナルティーエリア内右のフェラン・トーレスが細かいドリブルから中央にパスを送り、飛び込んできた背番号10がこれに合わせる。ボールは一度ポストに弾かれたものの、アンス・ファティはヒールを使ってしっかりと枠内に押し込んだ。前半は3-0で終了。バルセロナはゴールに直接的には絡まなかったが、フレンキー・デ・ヨングも出色の出来だった。ゲームメイク、前線でのボール奪取、プレスの突破、カウンターの芽を潰す守備など……バルセロナの好パフォーマンスの鍵を握っていた。
後半、バルセロナはボール保持し続けながら4点目を決める可能性をうかがい、それと同時にビジャレアルの反撃の機会を削いでいく。チャビ監督は70分に最初の交代カードを切り、セルジ・ロベルト、フレンキー・デ・ヨングとの交代でベジェリン、ブスケツを投入。フレンキー・デ・ヨングは、大喝采とともにベンチへと下がっている。また75分にはアンス・ファティ、レヴァンドフスキがハフィーニャ、デンベレと交代し、その3分後にはクンデも下がってピケがピッチに立っている
バルセロナはその後、ハフィーニャやフェラン・トーレスが決定機を迎えたものの決め切れず。しかしビジャレアルのゴールも許すことなく、3点リードのまま試合終了を迎えた。立ち上がるべき、絶対に勝つべきタイミングで、(とりわけ前半に)可能性を感じさせるパフォーマンスを見せて見事勝ち点3を手にしたバルセロナ。前日にエルチェを下した首位レアル・マドリーとの勝ち点3差をキープしている。
なおビジャレアルはこの日、ホセ・マヌエル・ジャネサ副会長が白血病で逝去。74歳だった。ジャネサ副会長はフェルナンド・ロッチ会長より前からビジャレアルのために尽くし、同会長到着後には右腕としてクラブの近代化に尽力。遠征には必ず帯同して、選手たちとも非常に近しい関係にあった。試合前には黙祷が行われたが、この日の午後に訃報に触れたビジャレアの面々が精神的に打撃を受けていたことは間違いない。




