バルセロナとGKマルク=テア・シュテーゲンは、ギリギリの緊張関係に陥ったようだ。スペイン『マルカ』が報じている。
バルセロナとテア・シュテーゲンの関係は、どんな結末を迎えるか分からないほどにこじれている模様。一つのきっかけとなったのは、以前からテア・シュテーゲンの振る舞い方に疑問を持っていたというバルセロナが、今夏同選手を放出すべく動いたことだ。
バルセロナは今夏、チームの第1GKに据えるべくエスパニョールからGKジョアン・ガルシアを獲得し、さらにGKヴォイチェス・シュチェスニーとの契約を延長。第3GKに格下げとなったテア・シュテーゲンはドイツ代表として2026年ワールドカップ出場を目指すためにも退団に動くだろう--それがバルセロナの思惑とされていた。
だが『マルカ』によれば、テア・シュテーゲンはバルセロナの動きに憤慨しながらも、その思惑とは逆に退団する意思がまったくないことをクラブ側に伝えたのだという。バルセロナ幹部陣は、テア・シュテーゲンの確固たる残留の意思を前に、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべているようだ。その理由は「彼の退団が重要なのは(移籍金で)必要な収入を得るためだけでなく、人件費でも大きな額を削減できるため」とのこと。なおバルセロナとテア・シュテーゲンの契約は2027年までで、その年俸はグロスで2000万ユーロとされる。
そしてテア・シュテーゲンが腰部の手術に踏み切るアナウンスを行ったとき、同選手とバルセロナの関係にはさらなる緊張が走ったようだ。
テア・シュテーゲンはSNSを通じて、自身が手術を受けることを発表し、そして離脱期間が3カ月になることを明示。バルセロナがチームの第一キャプテンが手術を受けることを発表したのは、それから数時間後のことで、離脱期間については明確にしなかった。
テア・シュテーゲンの離脱期間が3カ月であれば、バルセロナにとって都合が悪い。ラ・リーガでは所属選手が長期離脱を強いられたクラブは、当該の選手を人件費に含めなくていいという特別措置が適用される。だが長期離脱の定義は4カ月以上の離脱で、テア・シュテーゲンの場合はあと1カ月足りない。サラリーキャップ超過により、新加入選手(ジョアン・ガルシア、FWマーカス・ラッシュフォード)の登録が現状できないバルセロナだが、テア・シュテーゲンが退団も長期離脱もしなければ人件費を浮かせることは不可能となる。
ただ『マルカ』曰く、バルセロナはテア・シュテーゲンの離脱期間は、手術後に決定されるべきと考えている模様。加えて専門医たちの見解によれば、同選手が受ける手術では、通常であれば離脱期間は4〜6カ月に及ぶことになるという。
テア・シュテーゲンが意図的にクラブを苦しめている--バルセロナ内部ではそう捉えている人たちもいる様子。そのために第一キャプテンの座から降ろすことも、真剣に検討しているとのことだ。


