20日のラ・リーガ第29節、サンティアゴ・ベルナベウを舞台としたレアル・マドリー対バルセロナは、4-0でバルセロナの勝利に終わった。
ここ5試合のクラシコはマドリーが全勝(ここ6試合では5勝1分け)。しかしながらバルセロナもチャビ・エルナンデス監督が率いてから、同指揮官が現役時代だった頃の、クラシコで勝利を当たり前としていた頃のチームを彷彿させる勢いを見せている。果たして、このクラシコでは一体何が見えるのだろうか。
試合は予想通りチャビ・バルセロナがボールを保持して、アンチェロッティ・マドリーがそれに対応する形でミドルゾーンから堅守速攻を仕掛ける展開。負傷ベンゼマの代わりにバルベルデを投入して中盤の人数を高めたマドリーは7分、バルベルデがグラウンダーのミドルでゴールを伺うが、これはGKテア・シュテーゲンの横っ飛びに阻まれた。
最初にチャンスを迎えたのはマドリーだったが、その後はバルセロナのほぼ一方的なペースとなる。チャビ監督のチームは第3の動きがしっかり際立つポゼッションフットボールを披露し、そこに意表とスペースを突く縦に速い攻撃も絡めてマドリーを翻弄。そうして、29分に先制点を獲得する。右サイドでボールを受けたデンベレが縦への突破からクロスを送り、オーバメヤンがヘディングシュートでネットを揺らした。オーバメヤンはベルナベウで、あの前方宙返りをしっかりと披露している。
1点ビハインドを負ったマドリーは36分、ヴィニシウスがバルセロナの最終ラインを突破したが、T・シュテーゲンの好守に遭い同点には追いつけず。そしてその2分後、バルセロナはCKからアラウホがヘディングシュートを叩き込んで、リードを2点に広げた。前半は0-2のまま終了のホイッスルが吹かれる。
アンチェロッティ監督は完全に劣勢に立たされていたことを受けて、ハーフタイムにカルバハルとクロースを下げてマリアーノとカマヴィンガを投入。中盤により動ける選手を増やし、さらに純粋なストライカーをトップに据えた。
マドリーはこの選手交代でハイプレスの強度を高めたが、しかし流れは逆に悪くなることに……。バルセロナは縦に速い攻撃から、さらに得点を重ねていった。まず47分、オーバメヤンのヒールパスからF・トーレスがダイレクトでシュートを決め、53分には今度はロングボールを受けたF・トーレスのお膳立てからオーバメヤンがこの試合2点目を記録。これでスコアは0-4となり、ベルナベウの観客は少しずつ席を立ち始めて家路を目指し始めている。
アンチェロッティ監督は63分にナチョとロドリゴを下げてアセンシオとルーカス・バスケスもピッチに立たせる。少し勢いを弱めたバルセロナを相手にボールを保持して攻め込もうとするが、アウェー席のバルセロナサポーターの応援ばかり目立つベルナベウで、チャンスを生むまでには至らない。
チャビ監督は71分に1〜2枚目の交代カードを切り、フレンキー・デ・ヨング、オーバメヤンとのメンフィス、ガビに代え、さらに80分にはデンベレとの交代でアダマ・トラオレもピッチに立たせた。終盤、ほぼ半分の観客が去ったベルナベウで、マドリーは一矢を報いようと攻撃を仕掛け続けたが、バルセロナが無失点を貫いて試合終了を迎えている。あの“強すぎるバルセロナ”が、チャビ帰還によって戻ってきた。
7試合ぶりにクラシコで勝利したバルセロナは3位に位置し、首位レアル・マドリーとの勝ち点差を12とした。未消化分のラージョ戦でも勝利すれば、その差は9まで縮まることになり、優勝争いに絡む可能性もありそうだ。




