12日に行われたスペイン・スーパーカップ準決勝、ベティス対バルセロナの一戦は120分間を2-2で終え、PK戦4-2でバルセロナが決勝に進出した。
前日にはラ・リーガ王者レアル・マドリーがPKの末にコパ・デル・レイ準優勝バレンシアを下して決勝進出。マドリーが待ち受ける舞台を目指すのはコパ王者ベティスとラ・リーガ準優勝バルセロナだ。バルセロナのチャビ監督はGKテア・シュテーゲン、DFセルジ・ロベルト、アラウホ、クンデ、ジョルディ・アルバ、MFガビ、フレンキー・デ・ヨング、ペドリ、FWハフィーニャ、レヴァンドフスキ、デンベレをスタメンで起用している。
前半立ち上がり、主導権を握ったのはバルセロナ。F・デ・ヨン、ガビ、ペドリのゲームメイク(後者2人は果敢な飛び出しも)、ハフィーニャ&デンベレのドリブルからのチャンスメイクと攻撃陣のプレーは冴え渡り、次々にチャンスを創出していくが、頼みのレヴァンドフスキが精彩を欠いたこともあって得点までは奪えない。
次第にベティスも、フェキル、ルイス・エンリケが存在感を発揮して反撃。23分にはクンデのミスから、フェキルにペナルティーエリア内フリーで侵入されたものの、ここはアラウホのPKを取られない絶妙タックルでことなきを得ている。冷や汗をかいたバルセロナはその直後、右サイドのハフィーニャのクロスから飛び出してきたペドリがネットを揺らした。が、こちらはハフィーニャのオフサイドが取られてゴールが取り消されている。
バルセロナはその後も攻撃では輝きを放つものの、守備があまりに脆いという今季残している数字とは逆となるパフォーマンスを続けていく。31分にはCKからペッセッラのヘディングシュートを許すものの、これはT・シュテーゲンがファインセーブ。そして40分、その輝かしい攻撃が実を結び、ついにスコアを動かした。ロングボールを左サイドで受けたデンベレが、ペナルティーエリア手前までドリブルを仕掛けてエリア内に入り込むレヴァンドフスキにパス。背番号9は一度シュートをルイス・フェリペに弾かれたが、こぼれ球を枠内に押し込んでいる。
バルセロナは先制後、ベティスに立て続けに決定機を許したものの、T・シュテーゲンが好守を連発して失点を回避。1点リードで試合を折り返す。
後半はベティスがボールを保持して同点を目指し、バルセロナが速攻から追加点を狙う展開。チャビ監督は63分にデンベレ、F・デ・ヨングを下げてブスケツ、フェラン・トーレスを投入したが、ブスケツ、ガビ、ペドリとなった中盤がボールをうまく回せず機能しない。そうして78分、“相手にとどめを刺さず、同点に追いつかれる”というお決まりのパターンが起こった。ペナルティーエリア内、L・エンリケのお膳立てからフェキルに強烈なシュートを放たれ、T・シュテーゲンを破られている。
チャビ監督は失点後にJ・アルバ、S・ロベルトを下げてマルコス・アロンソ、クリステンセンを投入。81分にはF・トーレスのアシストからレヴァンドフスキが2点目を決めたように思えたが、F・トーレスのオフサイドが取られて、スコアが1-2となったのはほんの一瞬だった。85分、チャビ監督はハフィーニャをアンス・ファティに代えるが、決勝点は遠く、ベティスのチャンスも許しながら1-1で90分間を終えた。
延長戦、前半が始まったと同時にゴールが、それも極上のゴラッソが決まった。決めたのはここ最近、低調であるために逆に目立っていたアンス・ファティ。CKの流れで、バルセロナの10番はペナルティーエリア手前左でクリアボールを待ち受け、利き足とは逆の左足でボレーシュート。合わせるのも難しい、高難易度の対角線上のシュートはGKクラウディオ・ブラーボもどうにもできず枠内に収まった。チャビ監督は逃げ切りを意識してガビをケシエに代え、守備を強化する。
これで勝負は決するかに見えたが、ベティスもゴラッソにゴラッソで返した。100分、ペナルティーエリア内右のルイス・エンリケがボールを折り返すと、ニアに位置したロレンが股間付近でそれを受けて、ダイレクトヒールで枠内に転がした。エリア内に生息する9番タイプの選手だけが決められるような、見事な得点手段だった。
2-2で迎えた延長後半は消耗激しく、より静かな展開に。その中で118分、バルセロナはA・ファティがクロスからヒールシュートでゴールをうかがったが、これはC・ブラーボがセーブ。118分にはクアルダードがケシエへのタックルで2回目の警告を受けて退場となり、それから数的優位のバルセロナがベティスを押し込んだが、やはり得点は奪えず試合はPK戦に突入する。
PK戦1本目、先攻のベティスはウィリアン・ジョゼ、後攻のバルセロナはレヴァンドフスキがそれぞれゴール。2本目もロレン、ケシエともに成功し、3本目が運命の分岐点に。ベティスのフアンミのシュートをT・シュテーゲンが止めたのに対して、バルセロナはA・ファティがしっかりとネットを揺らしてリードを得た。そして4本目、T・シュテーゲンはルイス・エンリケが叩いたボールもストップし、ペドリがトドメとなるゴールを決めてバルセロナが勝利。T・シュテーゲンに何度も救われたチャビ監督のチームが、マドリーの待ち受ける決勝に駒を進めた。




