バルセロナは5日にラ・リーガ第13節、本拠地カンプ・ノウでのアルメリア戦を2-0で制した。
突如発表されたピケの現役引退。スパイクを完全に脱ぐのは次節オサスナ戦だが、このアルメリア戦がカンプ・ノウで臨む試合としてはラストマッチとなる。チャビ監督は自身と同じくクラブの生ける伝説であるこの3番を先発で起用。GKテア・シュテーゲン、DFバルデ、ピケ、マルコス・アロンソ、ジョルディ・アルバ、MFペドリ、ブスケツ、フレンキー・デ・ヨング、FWデンベレ、レヴァンドフスキ、フェラン・トーレスをスタメンとしている。
バルセロナはキックオフから5分後、F・トーレスのヘディングシュートがカイキーのハンドを誘発してPKを獲得。カンプ・ノウの観客はピケがキッカーを務めることを望み、本来のキッカーであるレヴァンドフスキは彼に視線を送った。が、ピケはどれだけ自分の名を叫ばれようともプロフェッショナルに徹して「お前が蹴るんだ」のジェスチャー。そうしてレヴァンドフスキが蹴ったシュートは……、枠の左にわずかに外れている。
絶好機を伸ばしたバルセロナはその後、F・トーレスやデンベレらがチャンスを迎えていったが、オサスナ守護神フェルナンドの再三にわたる好セーブに阻まれて決め切れず。スコアレスのまま試合を折り返している。
バルセロナが先制点を決めたのは、後半開始から3分後のことだった。ブスケッツのロングボールを右サイドのデンベレが受けると、そのままペナルティーエリア内に切れ込み、アルメリアDFを1人、2人かわして、素早い振りの左足のシュートでネットを揺らした。デンベレは今季ラ・リーガで4得点4アシストを記録している。
チャビ監督は61分に1枚目の交代カードを切り、F・トーレスとの交代でアンス・ファティを入れる。すると、その1分後にリードを広げることに成功。J・アルバのクロスにA・ファティが合わせ、これはフェルナンドに弾かれたものの、F・デ・ヨングがこのこぼれ球を右足で枠内に押し込んでいる。2点差としたチャビ監督は67分にデンベレ、ブスケツを下げてハフィーニャ、ガビを投入。インサイドハーフだったF・デ・ヨングがアンカーとなった。
その後も順調に試合を進めるバルセロナ。そして83分、ついに歴史的な瞬間が訪れた。チャビ監督はクリステンセンを入れて、ピケをピッチから下げる。ピケはピッチ上のチームメートと一人ひとりと抱擁し、両手を挙げて観客に拍手をしてからピッチを後に。それからチャビ監督、ベンチのチームメート、コーチングスタッフと抱き合い、その間にはずっと観客から「ピケ、ピケ、ピッケンバウアー」のチャントが歌われていた。
2022年11月5日、スペイン、カタルーニャ、世界のフットボール史に巨大な足跡を残したセンターバックが、愛して止まない心のクラブであるバルセロナ、その本拠地カンプ・ノウでのラストマッチを終えている。
バルセロナは2点リードを維持したまま試合終了のホイッスルを迎え、7日にラージョ・バジェカーノ戦を控えるレアル・マドリードを勝ち点2差で上回り、暫定で首位に浮上した。




