Javier TebasGetty Images

ラ・リーガ会長、バルセロナ贈収賄疑惑に「スペインでは時効だがFIFAやUEFAに訴えることは可能」「ラポルタは説明できなければ辞任すべき」

スペインプロリーグ機構のハビエル・テバス会長が、バルセロナの審判贈収賄疑惑“ネグレイラ事件”について再び言及した。

バルセロナは2003年から2018年にかけて、当時のスペイン審判技術委員会(CTA)副会長エンリケス・ネグレイラ氏とその息子が保有していたDASNIL95社に総額650万ユーロを支払っていたことで、贈収賄疑惑にかけられている。テバス会長は、スペインのスポーツ法においては重大な違反行為も3年で時効になるためにラ・リーガでは調査を進められないと説明していたが、検察の捜査には全面的に協力していく考えを強調した。

「多くのクラブがこの“ネグレイラ事件”について不安を感じている。バルセロナ内部でも同じく、過去に支払っていた額について心配している。これはスペイン・フットボールに大きな打撃を与える事件であり、そのために大きな不安が生じているわけだ」

「私はラ・リーガが行うことについてすでに説明したが、その中の一つが検察の捜査の助けとなる資料の提供だ。スポーツ法において時効がなければ、私たちも間違いなく調査を行っていた。だが時効があるためにそうすることができない。違法になってしまうからね」

「それでも私たちは検察を助けることができる。また、たとえ検察が犯罪を起訴する理由がないと考えても、私たちには捜査を継続してもらうために十分な証拠が、もう現時点であると信じている。まあ、検察は然るべき起訴を行うはずだよ」

スペイン『エル・ムンド』は、もしバルセロナが審判を操作していたとしてもスペインでは時効となっているためにスポーツ的制裁を科せないものの、FIFAやUEFAであれば勝ち点剥奪や降格処分を科すことが可能と報じていた。

「UEFAやFIFAがこの件に介入する必要があると私たちが判断した場合には、然るべき訴えを起こしたい。このテーマに関しては明白であり、調査が行われなければならない」

「私たちはマンチェスター・シティ、ユヴェントス、PSGの財政に関する疑惑について訴えを起こしてきた。そうであるならば、今回も何かをしなくてはいけない。ここで時効であるならば、時効ではない場所に向かうことになる。スペインのクラブだからといって何もしなければ、それは一貫性を失うことを意味してしまう。それに存在している(ネグレイラ氏への支払いの)証拠はとても深刻であり、理解するのが難しいものだ」

バルセロナ内部でも、ネグレイラ氏への支払いについて調査が開始されているようだ。

「(バルセロナのフットボールダイレクター、マテウ・)アレマニーと会ったが、彼らもすべてを可能な限り明確にするための調査を行っている。まだ深い分析は行われていないが、調査はスタートしているんだ。最後まで行き着くことを願っている」

「第一次政権で支払い額を4倍に引き上げたバルセロナ会長ジョアン・ラポルタは辞任すべきか? なぜあんな支払いをしていたのか、きっちりと説明できないならば辞任すべきだと思う。あの支払いについて道理にかなった説明はされていない。バルセロナの声明では、まるですべてのフットボールクラブがああしたこと(CTA委員会メンバーへの審判やレフェリングの分析依頼)をしているようだった。だが、ただの元審判と、審判技術委員会にいる元審判は別ものだ。私はすべてが明らかになることを望んでいる」

なお“ネグレイラ事件”については、セビージャが遺憾とすべてを明らかにすることを要求する声明を出していたが、エスパニョールも同じ趣旨の声明を発表。また『マルカ』によればアトレティコ・マドリーもラ・リーガの残りクラブを一まとめにして声明を発表する考えのようだが、これはクラブ間で合意に至らなかったようだ。いずれにしろ、今後もラ・リーガのバルセロナ以外のクラブから、競争の公正性や信頼性を大きく損なう可能性があるこの“ネグレイラ事件”についての意思表示が行われていくことになりそうだ。

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