スペインの検察当局から審判買収で起訴されたバルセロナだが、買収したという確たる証拠は存在していないようだ。
バルセロナは2001年から2018年まで、当時の審判技術委員会(CTA、スペインフットボールの審判統括組織でラ・リーガの試合担当なども決定)副会長エンリケス・ネグレイラ氏とその息子保有のDASNIL95社とNilsad SCP社に対して、審判のレフェリング分析・コンサルティングを名目に約700万ユーロ(約11億円)を支払っていたことで審判買収疑惑にかけられている。
そして検察当局は10日、バルセロナが「審判の判定において恩恵を受ける」ために金銭を支払い続けていたと結論付け、財団法人としてのバルセロナ、同クラブの元会長ジョゼップ・マリア・バルトメウ氏、サンドロ・ロセイ氏、ネグレイラ氏らを正式に起訴した。
ただし、検察がバルセロナの裁判所に提出した訴状において、買収したことを裏付ける証拠は存在していないという。スペイン『マルカ』は、弁護士フェリペ・イスキエルド氏の「審判を買収したという証拠や兆候は、全資料のどこにも存在していない。現在は推測でしかないことだ。証拠がなければ起訴された人々を有罪にすることはできない」との見解を紹介。また、そのほかの専門家たちも審判買収は「立証できていない」という見解で一致しているとのことだ。
その一方で、バルセロナとネグレイラ氏の取引に関する資料については、偽造・虚偽の兆候が確認されている模様。訴状には「エンリケス・ネグレイラの会社は実際には技術的コンサルティングのサービスを提供することなく、FCB(バルセロナ)に請求書を送っている」との記載があるだけでなく、バルセロナに対してネグレイラ氏に依頼した仕事を証明する資料を求めたにもかかわらず、「見つからなかった」と返答されたことも記されている。


