4日のラ・リーガ第19節、バルセロナは敵地エスタディオ・グラン・カナリアでのラス・パルマス戦を2-1で制した。
今季、低調なパフォーマンスを続けてきたチャビ監督率いるバルセロナは、2024年初戦に心機一転、ラ・リーガ逆転優勝のために勝利がほしいところだ。
今回の相手は、ピミエンタ監督率いるラス・パルマス。ピミエンタ監督は元バルセロナB指揮官で、同クラブのジョアン・ラポルタ会長から「ほかの下部組織のチームとプレー方法が異なる」と解任の憂き目に遭った。が、ラス・パルマスでチャビ監督のバルセロナよりもバルセロナらしいプレーを実践して、今季昇格組ながら好成績を収めている。
そしてこの一戦、チャビ監督のバルセロナは2週間の時間があったにもかかわらず、やはりそのパフォーマンスは低調のまま……。すると12分、ピミエンタ監督のラス・パルマスが先制点を記録した。右サイドのサンドロがグラウンダーのクロスからDFラインを巧みに抜け出した元バルセロナのムニルが、飛び出したGKイニャキ・ペーニャに先んじて左足でボールを枠内に押し込んでいる(なおバルセロナはこの失点の直前に負傷のカンセロとの交代でクリステンセンを投入)。
ビハインドを負ったバルセロナはボールを保持して同点弾を狙うも、やはり効果的な攻撃を仕掛けられない。ガビ&ペドリ不在で中盤の構成がセルジ・ロベルト、フレンキー・デ・ヨング(アンカー)、ギュンドアンの同チームは、ラス・パルマスがDFとMFのライン間をしっかりと狭めている中でアタッキングサードでチャンスを創出できる選手がいなかった。28分にサンドロにポスト直撃のシュートを許すなど、ラス・パルマスの縦に速い攻撃にも苦しみ、バルセロナはほぼいいところなく前半終了のホイッスルを迎えている。
後半、意地で攻勢を強めるバルセロナは55分に、美しい形ではなかったが同点弾を獲得。レヴァンドフスキに当たったラス・パルマスのクリアボールがペナルティーエリア内に落ちると、セルジ・ロベルトの横パスからフェラン・トーレスが右足のシュートでネットを揺らした。
スコアをタイに戻したバルセロナは、その勢いのまま勝ち越しゴールを目指した。ラス・パルマスを自陣に近寄らせない攻撃は確かに迫力があったが、しかしアタッキングサードからの崩しの形は拙いままで、明確な決定機を生み出すまでには至らない。
チャビ監督は75分過ぎに次々と選手交代を敢行。まずレヴァンドフスキ、ハフィーニャをジョアン・フェリックス、ヤマルに代えて、次にセルジ・ロベルト、フェラン・トーレスとの交代でフェルミン、そして新加入のヴィトール・ロケをピッチを立たせた。
そのアタッカーの層の厚さを誇示するバルセロナは、J・フェリックスを中心の攻めを見せるが、2点目が決められない。80分にはヴィトール・ロケがスルーパスから抜群のスピードを見せてGKバジェスと1対1になるも、ラス・パルマス守護神を抜き去ることはできなかった。
このまま試合は1-1で終了するかと思われた。が、後半アディショナルタイムにバルセロナの執念が実った。ペナルティーエリア内でギュンドアンがシンクフラーフェンに押されて倒され、主審は一発レッドとPKの判定。ギュンドアン本人がこのシュートを決め切り、ついに逆転を達成している。試合はそのまま終了のホイッスルを迎え、バルセロナがパフォーマンスというより執念と意地と地力でラス・パルマスを上回り、勝ち点3を獲得している。
連勝のバルセロナは勝ち点を41として、前日にともに勝利した首位レアル・マドリー&2位ジローナを勝ち点7差で追走している。




