バルセロナとGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの和解の背景には、ジョアン・ラポルタ会長の働きかけがあったようだ。スペイン『ムンド・デポルティボ』と『マルカ』が報じている。
今夏、バルセロナとテア・シュテーゲンの関係には緊張が走っていた。
期待の若手GKジョアン・ガルシアを獲得し、GKヴォイチェフ・シュチェスニーとの契約を延長したバルセロナは、人件費の余裕を生むためにも第3GKに格下げしたテア・シュテーゲンの放出を望んでいるとみられた。対して退団を拒絶しているとされるテア・シュテーゲンは、腰部の手術に踏み切ったことに関連して、クラブとの溝が深まる行動に出ている。
ラ・リーガにおいて所属選手が長期離脱(4カ月以上)を強いられたクラブは、当該選手の年俸80%を人件費から除外できるという特別措置が適用される。バルセロナはテア・シュテーゲンの長期離脱により、GKジョアン・ガルシアらの選手登録を進める考えとされたが、ドイツ代表GKは離脱期間が3カ月で“長期離脱”ではないことを明示。加えて、バルセロナはテア・シュテーゲンに対して医療診断書をラ・リーガに提出することへの同意を求めたものの、同選手はサインをすることを拒否している。バルセロナは7日、テア・シュテーゲンに対する懲戒手続きを開始したこと、第一キャプテンの座を一時的に剥奪したことを声明で発表した。
だが、テア・シュテーゲンは8日に声明を発表。「クラブは自分が手術を受ける前に、すべての選手補強と契約延長を実現している。そのために再び手術に臨まなければならないという自分の不運が、ほかのチームメートたちの選手登録に必要だとは、まったくもって考えられない」という少し皮肉的な文章もあったが、「困難な時期に緊張が走ることは理解できる。だけど責任と対話があれば、建設的な形で問題を解決できると信じている。今回の問題を解決するために、クラブ経営陣と協力していく用意が自分にはある。求められる承認にも応じるよ」と診断書の提出に同意する意思を示し、その後にバルセロナが懲戒手続きとキャプテン剥奪を取り止めたことを発表している。
歩み寄りを見せた両者だが、その背景にはラポルタ会長のテア・シュテーゲンへの働きかけがあったようだ。テア・シュテーゲンが診断書提出を拒絶した際、クラブ首脳陣は大きな憤りを感じたようだが、ラポルタ会長が8日午後に同選手の自宅に赴いたという。
ラポルタ会長とテア・シュテーゲンはこの話し合いで、互いの事情を説明した模様。ラポルタ会長はほかの選手が長期離脱する場合と同じように、「テア・シュテーゲンの離脱によって生まれる人件費の余裕を他選手の登録のために使用したい」という旨を誠実に伝えたとのことだ。話し合いは滞りなく終了し、両者は和解の声明を発表するに至った模様。ただしテア・シュテーゲンは、このような話し合いをもっと早く行うを望んでいたようだ。
なお、テア・シュテーゲンの離脱期間が4カ月以上になるかどうかは、今後ラ・リーガの医療部門が判断することになる。


