18日のラ・リーガ第9節、バルセロナはホームでのジローナ戦を2-1で制した。
パリ・サンジェルマン戦(1-2)、セビージャ戦(1-4)と公式戦2連敗を喫してインターナショナルウィークを迎えていたバルセロナにとって、このジローナーとのカタルーニャダービーは絶対に勝利がほしい一戦だ。
だが向かい風はまだ吹いており、依然として負傷者は多い。ヤマル、フェルミンは復帰を果たしたものの、ジョアン・ガルシア、ガビ、ハフィーニャ、ダニ・オルモ、レヴァンドフスキ、フェラン・トーレスが離脱中。レヴァンドフスキもフェランもいない中、ラッシュフォードが1トップを務めるとの報道もあったが、フリック監督は17歳の下部選手トニ・フェルナンデスを同ポジションで起用している。
バルセロナの全スタメンはGKシュチェスニー、DFクンデ、エリック・ガルシア、クバルシ、バルデ、MFぺドリ、フレンキー・デ・ヨング、カサド、FWヤマル、トニ・フェルナンデス、ラッシュフォード。
前半立ち上がり、いつものようにボールを保持してゲームを支配するバルセロナは、13分にあの天才MFが天才的なゴールを決めた。そう、ぺドリである。
ペナルティーエリア内右でボールを持ったぺドリは、横方向にドリブルを仕掛ける。相手がぺドリであるだけにジローナ守備陣の誰もがうかつに飛び込めない状況で、背番号8は右足でボールに6回触れてエリア内やや左まで水平に移動し、皆の意表を突く左足のシュート。対角線上を狙った、まさに“ゴールへのパス”という柔らかなグラウンダーのボールは、GKガッザニーガも反応できないままコロコロと枠内右に収まっている。
しかし、ビハインドを負ったジローナも反撃。ここ最近バルセロナの弱みとなっているハイラインを何度も攻略すると、20分にスコアをタイに戻している。左CKの場面、アルナウがヘディングで折り返したボールからヴィツェルがバイシクルシュートを見せ、シュチェスニーを破った。同点に追いつかれたバルセロナは連係プレーからデ・ヨング、直接FKからラッシュフォードが決定機を迎えるも、前者はガッザニーガの好守に阻まれ、後者はバーに直撃して勝ち越しゴールを奪えぬまま前半を終えた。
ハーフタイム、フリック監督はトニ・フェルナンデスを下げてフェルミンを投入。迎えた後半、バルセロナはジローナを相手に波状攻撃を仕掛けるものの、フェルミンのシュートがポストに阻まれるなど、なかなかゴールが決まらない。62分にはCKからクバルシがネットを揺らしたが、ヒル・マンサーノ主審が直前のエリック・ガルシアのファウルを取ったためにぬか喜びに終わった。
フリック監督は63分にヤマル、ぺドリを下げてクリステンセン、ルーニー・バルドグジを投入。ヤマルは負傷明け、ぺドリは代表戦の疲労が心配されるが、チームの象徴2人を一気に変える驚きの交代策となった。
バルセロナはその後、ラッシュフォードとフェルミンが気を吐いたものの、チャンスを物にすることができない。フリック監督は76分にバルデをジェラールに代え、また81分にはセットプレーおよびパワープレー要員として、カサドとの交代でアラウホもピッチに立たせた。
終盤はジローナの時間を使うボール保持にも苦しみ、決定機を生み出せないバルセロナ。このままドローで試合を終えるかと思われたが、ドラマは最後の最後に待っていた。
93分(取られたアディショナルタイムは94分)、フレンキー・デ・ヨングが右サイドを突破してグラウンダーのクロス。するとニアサイドに飛び込んだアラウホが、滑りながら右足でボールを枠内に流し込んでいる。試合はそのまま終了のホイッスルが吹かれ、バルセロナが劇的に、3試合ぶりの勝利を手にした。
勝ち点を22としたバルセロナは、次節直接対決を迎えるレアル・マドリーを暫定で抜いて、首位に立っている。




