5日のチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第4節、バルセロナはアウェーでのクラブ・ブルッヘ戦を3-3のドローで終えた。
パフォーマンス的には完璧とは言えなかったものの、週末のエルチェ戦を3-1で制してクラシコ敗戦(1-2)のショックから少し立ち直ったバルセロナ。このままCLでも勝利を手にして、勢いを取り戻したいところだ。ぺドリやハフィーニャらを負傷で欠くフリック監督は、GKシュチェスニー、DFクンデ、アラウホ、エリック・ガルシア、バルデ、MF後列カサド、フレンキー・デ・ヨング、MF前列ヤマル、フェルミン、ラッシュフォード、FWフェランをスタメンとしている。
前半、立ち上がりから終了までボールを保持したのはバルセロナ。だが70%を超えるポゼッションとは反対に、スコアで上回ったのはクラブ・ブルッヘだった。ベルギーの雄は、今季に入りバルセロナの強みというよりも弱みになっているハイラインを巧みに突いて、決定機を物にしていった。
クラブ・ブルッヘは6分に先制点を記録。右サイドのフォーブスがバルセロナのハイラインを突破し、折り返されたボールをトレソルディが押し込んだ。
バルセロナはその2分後に一時同点に追いつく。ヤマルの絶妙なスルーパスからフェルミンがDFラインを破り、その横パスからフェランがネットを揺らした。勢いづくバルセロナは逆転に向けて攻勢を強めるも、フェルミンのシュートがバーに直撃するなど決め切れずにいると、反対に失点を喫してしまう。クラブ・ブルッヘは17分、バルセロナのCKからカウンターを発動させ、流れるようなパスワークから再びハイラインを攻略し、最後にフォーブスがシュートを沈めている。
1点ビハインドで試合を折り返したバルセロナ。後半は、18歳ヤマルがその天才性を遺憾なく発揮して、チームを牽引した。
右サイドで違いを生み出し続ける背番号10は、61分に同点ゴールを記録。ペナルティーエリア手前でボールを持つと、ダブルタッチで2人をかわしてエリア内に侵入。フェルミンとのワン・ツーからゴール前まで突き進むと、GKジャッカースを眼前に左足でボールを枠内に流し込んでいる。
再び追いついたバルセロナだが、またもハイラインという“弱点”を突かれて、クラブ・ブルッヘの勝ち越し弾を許す。63分、ヴァナケンのスルーパスから独走したフォーブスが、GKシュチェスニーを眼前にチップキックでネットを揺らした。
三度リードを許したバルセロナだが、77分にまたもヤマルが輝き、三度追いつくことに成功。ペナルティーエリア内右のヤマルが、途中出場のレヴァンドフスキを狙いフワッとしたクロスを送ると、ボールはツォリスの頭に当たってコースが変わり、ネットを揺らしている。
同点に追いついたバルセロナは、終盤に猛攻を仕掛けるものの、やはり逆転ゴールには届かない。また91分にはシュチェスニーがベルマントにボールを奪われてシュートを決められるも、これはファウルの判定でゴールと認められなかった。肝を冷やしたバルセロナはパワープレー気味に攻撃を仕掛けるも、結局3-3のまま試合終了のホイッスルを聞いている。
バルセロナの3失点は、すべてハイラインを破られてのもの。前線から連動したプレッシングを仕掛けて、相手選手に前を向かせないようにしなければ機能しないハイライン戦術は、今季に入って裏目にしか出ておらず、その是非をかつてないほど問われている。
今季CLの成績を2勝1敗1分けとしたバルセロナは、勝ち点7でリーグフェーズ11位に位置している。
■試合結果
クラブ・ブルッヘ 3-3 バルセロナ
■得点者
クラブ・ブルッヘ:トレソルディ(6分)、フォーブス(17分、63分)
バルセロナ:フェラン(8分)、ヤマル(61分)、ツォリス(77分、OG)




