この冬の移籍市場でマンチェスター・シティからFWフェラン・トーレスを獲得する見込みとなったバルセロナ。シティには移籍金5500万ユーロ+インセンティブ1000万ユーロを支払うとされているが、極度の財政難にあって、どうしてこの補強を実現させることができたのだろうか。その理由をスペイン『マルカ』が説明している。
昨年1月に13億5000万ユーロの負債を抱えていることが明らかになったバルセロナは、なぜ5500万ユーロもの金額を支払うことができるのか。『マルカ』によれば、まず同クラブには「金がある」のだという。曰くその理由は、ゴールドマン・サックスなどから融資を取り付けていたため。融資は債務返済が主要な目的だったもの、選手補強の実現するために必要な金額を手にするためでもあったようだ。
そしてF・トーレス獲得の最大の障害は、もちろんラ・リーガのサラリーキャップ制度だった。バルセロナは人件費を下げなくてはいけなかったが、まずFWセルヒオ・アグエロの引退によって今季年俸が約10万ユーロのDFダニエウ・アウベスの選手登録が問題なくなり、F・トーレスのために完全ではないものの少しの余裕をつくった。さらにFWユスフ・デミルら複数の戦力外選手の放出することで、F・トーレスの登録も完全に可能になる見込みとのことだ。そのほか、バルセロナは新たなスポンサー獲得に注力しているようで、クラブの収入が増えるならばサラリーキャップの上限額も増え、人件費も増やせる。
なおラ・リーガのサラリーキャップにおける上限額は、年俸+移籍金の減価償却費を主として計算されるが、F・トーレスの場合、移籍金の減価償却費で今季終了後までの6カ月間で約1100万ユーロがかかる見込みとなる。年俸については選手側がバルセロナの状況を理解しているため、高額ではないことが予想される。
