2日のラ・リーガ第11節、バルセロナはホームでのエルチェ戦に3-1で勝利した。
前節、アウェーでのクラシコを1-2で落としたバルセロナ。前日にバレンシアを下したレアル・マドリーとの勝ち点差は8に開いており、彼らに遅れを取らないためにも士気を上げるためにも、このエルチェ戦で勝利を取り戻したいところである。
ただバルセロナは、負傷者続出という向かい風も受けている状況だ。レヴァンドフスキ、ダニ・オルモは復帰したものの、ジョアン・ガルシア、テア・シュテーゲン、ハフィーニャ、クリステンセン、ガビがいまだ離脱中で、さらにチームの要であるぺドリまで怪我をして1カ月半不在に……。フリック監督はGKシュチェスニー、DFクンデ、アラウホ、エリック・ガルシア、バルデ、MFフレンキー・デ・ヨング、カサド、フェルミン、FWヤマル、フェラン、ラッシュフォードを起用している。
攻撃的フットボールを信奉するサラビア監督(かつてバルセロナも率いたセティエン監督の元助監督)のエルチェが相手なだけに、試合は非常にエンターテインメント性の高い内容に。バルセロナもエルチェもボールを保持する意欲を見せ、攻守は何度も入れ替わっていった。
そうした中で先制点を決めたのは、個々の技術とスピードで勝り、必然的にミスも少ないバルセロナ。後方からボールをつないでいくエルチェは、その勇敢ながらもリスクあるフットボールの対価を払わされた格好だ。9分、ピッチ中央でバルデがボールを奪ってショートカウンターを発動させると、右サイドで相手選手の裏を取り、フリーとなっていたヤマルに横パス。ペナルティーエリア内に侵入した背番号10は、DF1枚をフェイントでかわして、落ち着き払った左足のシュートでネットを揺らしている。ヤマルは今季ラ・リーガ3得点目。
バルセロナはさらに12分に追加点を記録した。エリック・ガルシアのフィードをペドローサがカットするも、ボールをコントロールし切れず。こぼれ球を拾ったフェルミンがペナルティーエリア内左に侵入し、折り返したボールをフェランが押し込んだ。フェランはこれが今季ラ・リーガ5点目となった。
だが2点ビハインドを負ったエルチェも自分たちのフットボールを貫き、42分に1点を返すことに成功。アフェングルーバー、バレーラとボールをつないでいき、最後はラファ・ミルが左足のシュートでシュチェスニーを破った。
後半もオープンな展開は続き、バルセロナがエルチェを上回る決定機を手にしていく。そうして61分、バー直撃のシュートを放つなどチャンスを逸し続けてきたラッシュフォードが、ようやくゴールを決めた。カサドのフィードを右サイドのフェルミンが受けると、ペナルティーエリア内左にクロス。このボールをトラップしたイングランド人FWは、対峙したDFを縦に抜き去り、左足のシュートでネットを揺らしている。
3点差としたフリック監督は、66分にフェルミンを下げてダニ・オルモを投入。その直後の68分には、ラファ・ミルにポスト直撃のシュートを放たれて、肝を冷やしている。フリック監督は74分、バルデとラッシュフォードも下げてジェラール・マルティン、レヴァンドフスキも入れて攻守のバランスを整えている。
終盤もバルセロナ、エルチェともにボールを保持しながら攻撃する意思は変わらず。エルチェはバルセロナとポゼッション率で対等に競り合いながらも、しかし点差を解消することはかなわず試合終了のホイッスルを迎えた。バルセロナが2試合ぶりの勝利を飾り、首位レアル・マドリーとの勝ち点5差をキープしている。
なお最終的なポゼッション率はエルチェが50.9%で、バルセロナが49・1%。バルセロナが今季ラ・リーガでポゼッション率で負けたのは初のことだ(チャンピオンズリーグではPSGに2%上回られている)。またここ10年のバルセロナのホーム戦において、ポゼッション率で勝ったアウェーチームはわずか4チームしか存在しない。サラビア監督率いるエルチェのポゼッションフットボールの完成度をうかがい知れるデータだ。






