17日のラ・リーガ第29節、シビタス・メトロポリターノを舞台に行われたアトレティコ・マドリー対バルセロナは3-0でバルセロナの勝利に終わっている。
ラ・リーガ三強の内2チームの直接対決。アトレティコは暫定で4位の座を手にしたアスレティック・ビルバオを抜き返すために、3位バルセロナは前日に敗れた2位ジローナを抜き去り、首位レアル・マドリーとの勝ち点8差を維持し続けたままインターナショナルウィークを迎えることが目標となる。
13日にここメトロポリターノで、あのインテルを追いついた末のPK戦で破るという感動の試合を演じたアトレティコは、やはり疲労が溜まっているのかコケとグリーズマンをベンチスタートに。それでも序盤にはバルセロナを自陣に押し込んでいったが、バリオス、モラタのシュートが枠を外れるなど、手にしていった少ないチャンスを決め切れなかった。
対するバルセロナは時間が経つに連れてポゼッション率を上げ、アトレティコ陣地で試合を進めていくようになる。5-4-1で守るアトレティコ相手にほとんど決定機を生み出せなかったものの、それでも38分に数少ない好機を物にした。ゴールを決めたのは選手紹介アナウンスから耳をつんざくような指笛が吹かれていた、アトレティコサポーターが最も決められたくない“自クラブの”選手だった。
38分、ペナルティーエリア手前のギュンドアンがスルーパスを送り、これをエリア内左で受けたレヴァンドフスキがニアサイドに横パス。そこに走り込んでいたJ・フェリックスが、右足ワンタッチのシュートでネットを揺らした。
メトロポリターノの観客は、かつて寵愛したJ・フェリックスに対して辛辣なブーイング。対してポルトガル代表FWは、モンジュイックで行われたラ・リーガ前半戦とは打って変わって、レンタル元のクラブに対して決めたゴールを祝うことをしなかった。
前半は0-1で終了のホイッスル。なおバルセロナのチャビ監督は先制ゴールの直後、審判に対する抗議によってレッドカードを提示され、退席となった。ハーフタイム、1点ビハインドを負うシメオネ監督はサムエウ・リーノとモラタを下げてグリーズマンとメンフィスを入れた。
そうして迎えた後半、次にゴールを決めたのもバルセロナだった。47分、ハフィーニャが前線でデ・ポールのボールを奪うと、パスを受けたレヴァンドフスキがペナルティーエリア内右から、体を反転させながら右足を振り抜く。対角線上に転がったボールが、GKオブラクの反応もむなしく、そのまま枠内に収まっている。
2点のリードを許したシメオネ監督は58分にジョレンテとリケルメをコケとコレアに代え、対してチャビ監督はハフィーニャの代わりにヤマルをピッチに立たせる。そして65分、勝負をほぼ決定づけるバルセロナの3点目が決まった。右サイド、レヴァンドフスキの送ったクロスから（この試合1ゴール2アシストと大活躍）、2列目から飛び出したフェルミンがヘディングシュートをネットに突き刺している。
3点差をつけられたシメオネ監督はデ・ポールをサウールに代えるなどして1点でも返そうと試みるが、守備により力を割き始めたバルセロナを前にして、その攻撃はバリオスやメンフィスがミドルレンジからシュートを放つだけにとどまる（いずれも枠の外へ）。対するチャビ監督は78分にさらなる交代カードを切り、J・フェリックス、セルジ・ロベルトを下げてオリオル・ロメウ、ヴィトール・ロケを投入。J・フェリックスは再び、耳をつんざくような指笛を浴びせられながらベンチへと下がっている。
アトレティコは終盤も意地の攻撃を見せるが、結局1点も返すことができず試合終了のホイッスルを聞くことに。バルセロナが言葉通りの完勝を収めている。連勝のバルセロナは勝ち点を64として、前日ヘタフェに敗れたジローナを上回り2位浮上。首位レアル・マドリーを勝ち点8差で追っている。アトレティコはアスレティックに抜かれて、ついにチャンピオンズリーグ出場圏外の5位まで順位を落とした。
なお、アトレティコがラ・リーガのホーム戦で破れるのは、2023年の1月8日以来のこと。その際に敗れた相手もチャビ監督率いるバルセロナで、その一戦では0-1で土をつけられている。以降、アトレティコはラ・リーガでのホーム戦で23勝2分けという圧倒的な成績を収めてきたが、再びバルセロナに敗れ去った（全公式戦では今年2月7日のコパ・デル・レイ準決勝アスレティック戦でも敗戦している）。またシメオネ監督率いるアトレティコのラ・リーガでのバルセロナ戦成績はこれで2勝7分け16敗に。相性の悪さが浮き彫りになっている。