AlemanyGetty Images

バルセロナ、人件費1120億円を640億円まで削減することに成功…まもなくクラブを離れるアレマニーSDの功績

まもなくバルセロナを離れることになるマテウ・アレマニーSD(スポーツディレクター)が、同クラブで成し遂げた功績が話題となっている。スペイン『マルカ』が報じた。

財政難に陥るバルセロナが抱えていた大きな問題の一つが、トップチームの人件費だった。ジョアン・ラポルタ会長が2021年6月にバルセロナ会長に再選した際、同人件費は7億800万ユーロ(約1120億円)まで膨れ上がり、削減が必須な状況となっていた。

その目標を達成すべく、白羽の矢を立てられたのがマジョルカやバレンシアの強化部門で働いてきたアレマニーSDだった。アレマニーSDは今夏の移籍市場の閉鎖までに、7億800万ユーロあった人件費をなんと4億400万ユーロ(約640億円)まで減らすことに成功している。

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アレマニーSDはクラブのフットボールディレクターを務めていたジョルディ・クライフ氏のサポートを受けながら、チームの人件費を減らしていった。『マルカ』曰く、バルセロナはここ1年でグリーズマン、ピケ、トリンコン、ジョルディ・アルバ、ウンティティ、ニコ、ケシエ、デンベレ、デスト、ラングレ、アンス・ファティ、エリック・ガルシア、アブデを放出(レンタル含む)したが、この期間だけでも2億1400万ユーロの人件費節約を達成。その中でも大きかったのはピケの引退、グリーズマンのアトレティコ・マドリー完全移籍で、その2選手だけで1億5000万ユーロの節約になった。バルセロナは加えてグリーズマン、トリンコン、ケシエ、ニコ、デンベレ、アブデの売却によって9600万ユーロの収入を手にした一方、補強のために投じた費用についてはわずか5050万ユーロにとどめている。

『マルカ』が特筆するのは、アレマニーSDがこれだけの放出オペレーションを実現しながらも、バルセロナがその戦力及び競争力を落としていないどころか、むしろ高めている点だ。チャビ監督のチームはチャンピオンズリーグでこそまだ結果を出せていないものの、それでも昨季ラ・リーガで4シーズンぶりの優勝を達成。「人件費を大きく減らしながらも、これまで以上の結果を収めた」ことが強調されている。

ラポルタ会長は今後バルセロナのSD職をデコ氏に任せる予定で、役割を終えたアレマニーSDはまもなくクラブを離れる予定となっている。しかしアレマニーSDのその良質な仕事ぶりから、デコ氏と双頭体制を築くことはできないのかという声も挙がっている。

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