30日のラ・リーガ第32節、アトレティコ・マドリーはホセ・ソリージャでのバジャドリー戦に5-2で勝利した。
2シーズン前にラ・リーガ優勝を決めた舞台に戻ってきたアトレティコ。今季大きく出遅れながらも、カタール・ワールドカップ後に驚異的な勢いで勝利を重ねる同チームの現在の目標は、レアル・マドリーを抜いて2位でシーズンを終えることだ。
負傷でオブラク、マルコス・ジョレンテ、サビッチを欠くシメオネ監督は、GKグルビッチ、DFモリーナ、ヴィツェル、ヒメネス、エルモーソ、カラスコ、MFコケ、デ・ポール、レマル、FWグリーズマン、モラタを先発で起用している。
試合はアトレティコがボールを保持して攻め込み、バジャドリーがよりダイレクトな展開でゴールをうかがう展開。残留を争うバジャドリーのプレスは前線からかなり激しい形で仕掛けられ、アトレティコの選手たちに前を向かせないようファウル覚悟で体を押しつけていった。
それでもアトレティコは個々のクオリティーを光らせた。先制点を決めたのは20分のこと。ヒメネスのロングボールから“背番号10のスキルを持ったサイドバック”モリーナが右サイドを突破。ペナルティーエリアに入るや否やボールを巧みにトラップし、落ち着き払った右足のシュートでネットを揺らしている。
アトレティコは24分、今度はペナルティーエリア手前のグリーズマンのフリーキックから、ヒメネスがヘディングシュートを決めて加点。さらに38分にはモラタとグリーズマンが交差しながら最終ラインを突破し、グリーズマンのアウトサイドの横パスをモラタが押し込んでリードを3点に広げた。2アシストのグリーズマンは今季成績を11ゴール12アシストとしたが、32節分まででの12アシスト記録は2019-20シーズンのメッシ(17アシスト)に次ぐペースとなる。
一気に点差を広げたアトレティコだったが、40分にはエルモーソがゴンサロ・プラタに肘打ちを食らわせたとしてバジャドリーにPKを献上。これをラリンに決められて2点差で試合を折り返すと、後半にはホセ・ソリージャの後押しを受けるバジャドリーの攻勢に苦しんだ。そして74分、モンチュのCKからエスクデロにヘディングシュートを突き刺されて、ついに1点差まで迫られている。
その後も苦しむアトレティコだったが86分、途中出場のメンフィス&アンヘル・コレアが待望の4点目を導いた。メンフィスのパスからA・コレアがペナルティーエリア内に入り込み、折り返したボールがホアキン・フェルナンデスのオウンゴールを誘発している。
このオウンゴールでホセ・ソリージャの熱は若干下がり、アトレティコはバジャドリーの意地の猛攻を跳ね返し続ける。そして93分に迎えた速攻で、メンフィスがドリブルによってペナルティーエリア内に侵入。相手DF2枚を足元のテクニックで手玉に取りながら、左足のシュートを突き刺して勝負の決着をつけている。
ここ16試合の成績を12勝3分け1敗とした3位アトレティコは、2位レアル・マドリーとの勝ち点2差を維持。バジャドリーは降格圏18位エスパニョールと勝ち点4差で15位につけている。




