Joao FelixGetty Images

失望を重ねていくシメオネ・アトレティコ…10人のエスパニョールと引き分けて4試合勝利なし、J・フェリックスだけ希望を灯す

アトレティコは6日にラ・リーガ第13節、本拠地シビタス・メトロポリターノでのエスパニョール戦に臨み、1-1のドローで試合を終えている。

ここメトロポリターノで行われたレヴァークーゼン戦(2-2)でチャンピオンンズリーグ敗退が決まり、アウェーのカディス戦を2-3で落とし、アウェーのポルト戦にも1-2で敗れてヨーロッパリーグ出場もかなわずと、シメオネ政権下で前代未聞の暗黒の1週間を過ごしたアトレティコ。シメオネ監督はこのエスパニョール戦の前日会見で「これは家族みたいなものだ。いとこや妻、兄弟と何年も喧嘩し続けることもあるが、大きな問題が生じれば皆で集まって、それを解決する。今は家族として団結するときなんだよ」と団結をうながした。

しかし、これだけネガティブな結果が続けば、完全な団結は難しい。アトレティコのウルトラス、フレンテ・アトレティコは不甲斐ないチームへの抗議によって、前半の応援をボイコット。さらに試合直前におなじみの「オレ! オレ! チョロ・シメオネ!」のチャントが歌われると、一部からブーイングすら飛んでいる。“家族崩壊”をも予感させる試合で、シメオネ監督はGKオブラク、DFモリーナ、サビッチ、ヒメネス、ヘイニウド、MFジョレンテ、デ・ポール、コンドグビア、カラスコ、FWグリーズマン、モラタを先発させた。……“彼がいるチームも悪いプレーを見せることがあるが、彼なしで良いプレーは見せられない”の形容でおなじみの主将コケは、この試合も欠場している。

前半、ボールを保持した、もっと言えば持たされたアトレティコは、4-4-2で堅守を敷くエスパニョールを相手になかなかチャンスを創出することができない。しかしながら29分、ロングボールから最終ラインを突破しかけたモラタをカブレラが強引に倒して、これが一発退場の判定となった。

数的優位に立ったアトレティコは、システム5-3-1に変更したエスパニョールを左右から揺さぶりながら攻め込んでいく。だがジョレンテ(34分)、モリーナ(39分)、グリーズマン(44分)、もう一度ジョレンテ(45分)と、手にした決定機をことごとくふいにしてしまい、結局スコアレスのまま試合を折り返している。シメオネ監督はハーフタイム、デ・ポールをアンヘル・コレアに代えている。

後半、フレンテがスタンドに入ってきたがチャントを歌わず、相変わらず静寂が包む中で試合は進行(時折、しびれを切らしたほかのスタンドが歌うこともあったが)。そして63分、ついにスコアが動く。決めたのは、エスパニョール。オスカル・ヒルのファーへのクロスを起点にダルデルがネットを揺らし、メトロポリターノにはさらなる指笛が響き渡った。シメオネ監督はその後、次々と交代カードを切り、カラスコ、コンドグビア、グリーズマン、モラタをジョアン・フェリックス、ヴィツェル、クーニャ、レマルに代えている。

焦りを募らせながら攻勢を仕掛けるアトレティコだったが、エスパニョールの堅守を前に確度の高い決定機を得ることができない。だが78分、確度の低い決定機を技術の高さからゴールにしてしまえる選手が同点弾を記録した。そう、J・フェリックスだ。“黄金の少年”は、後方からのボールを巧みに胸トラップしてペナルティーエリア内左に入り込むと、意表を突くタイミングで、ニアサイドを狙って左足のシュート。ボールはGKレコンテとポストのわずかな隙間を通って、枠内に転がっている。

J・フェリックスはゴール直後、シメオネ監督のように観客を煽り、スタジアムに希望を灯す。観客の後押しを受けるアトレティコは、そのJ・フェリックスが惜しくもレコンテにセーブされるヘディングシュートを放つなど、最後まであきらめることなく攻め続けたが、しかし勝利には届かぬまま試合終了のホイッスルを迎えた。

公式戦4試合、ラ・リーガでは2試合勝利なしとなったアトレティコは、勝ち点24で3位に位置。ベティス、レアル・ソシエダが勝利すれば、順位を抜かれる可能性がある。

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