アトレティコ・マドリーは22日のラ・リーガ第22節で、本拠地ワンダ・メトロポリターノにバレンシアを迎え、3-2の勝利を果たした。
ラ・リーガでは年末に4連敗を喫するなど低調で、年明けのスペイン・スーパーカップでは準決勝でアスレティック・ビルバオに敗れ、そして先のミッドウィークのコパ・デル・レイ4回戦(ベスト16)ではレアル・ソシエダを相手にしてこちらも敗退……。シメオネ監督はアトレティコ指揮官10年目に、最大の危機を迎えている。
そうしたチームの状況・状態はこのバレンシア戦でもまざまざと表れた。というよりも、悪化の一途をたどっている。今回、ルイス・スアレス&ジョアン・フェリックスを2トップに置く4-4-2のシステムを採用したアトレティコは、3/5バックのバレンシア相手に攻撃をいとも簡単にいなされ、少ない決定機を物にされていく。
アトレティコが先制点を奪われたのは、24分のことだった。バレンシアは速攻からサイドチェンジのボールを受けたムサがペナルティーエリア左に侵入。ヴルサリコ&ヒメネスを前にしながら流れるような動きから右足でボールを叩くと、これが枠内に収まった。
反撃に出たいアトレティコだが、攻撃のアイデアを欠く状況は変わらず。そして44分、再びマリオ・エルモーソ(1失点目ではゲデスのマークを外して速攻の起点に)からバレンシアのゴールを許してしまう。背番号22が突破を許したウーゴ・ドゥロが、ラ・リーガ前半戦に続いてGKオブラクを破っている。
2点のビハインドを負ったシメオネ監督はハーフタイムにロディとの交代でアンヘル・コレアを投入。3/5バックにシステムを変更すると、さらに57分にはレマル、さらにはフェリックスを下げてクーニャ&フェリペをピッチに立たせた。時折鋭いプレーを見せ、また闘争心もあふれるJ・フェリックスの交代に、スタンドからはブーイングが飛んでいる。
J・フェリックスを下げたことに憤っていた観客だったが、63分には大歓声を送ることになった。アトレティコのゴールだ。カラスコの左CK、ゴール前中央に蹴られたボールは、フリーとなっていたクーニャの足元に落ち、ブラジル人FWがそのまま枠内に押し込んでいる。
1点を返したアトレティコは、「アトレーティ! アトレーティ!」と叫ぶメトロポリターノの観客の後押しを受けて、さらなるゴールを目指す。時間を稼ぎながらプレーするバレンシアに苦戦しながらも、アディショナルタイムに努力は報われた。まず90分、ペナルティーエリア内のルーズボールからA・コレアが同点ゴールを記録する。そして93分には、クーニャのシュートのこぼれ球からエルモーソまでネットを揺らして、わずか4分間で同点&逆転を達成! 超がつくほどの熱狂の中で、試合は終了のホイッスルが吹かれている。
ラ・リーガで2試合ぶり、公式戦で4試合ぶりの勝利を収めたアトレティコは、勝ち点を36で4位に位置。バレンシアは勝ち点29で9位につけている。
.jpg?auto=webp&format=pjpg&width=3840&quality=60)



