22日のラ・リーガ第25節、アトレティコ・マドリーは敵地メスタージャでのバレンシア戦を3-0で制した。
かつては“ラ・リーガ第3のクラブ”の座を争っていたアトレティコとバレンシアだが、シメオネ監督の指揮官としてのアトレティコ復帰後に状況は一変。シメオネ監督の復帰時、バレンシアは通算勝ち点獲得数でアトレティコに82ポイント差をつけていたが、2015-16シーズンにアトレティコがその差を埋めて歴代3位の座を取り戻し、今現在は331ポイントをつけている。加えてアトレティコがシメオネ監督に率いられて13シーズンが経過しているが、バレンシアはその間18人(!)がチームを指揮している。
今季もバルセロナ、レアル・マドリーと優勝争いを演じるアトレティコ。彼らにプレッシャーをかけたいシメオネ監督は、このバレンシア戦でGKオブラク、DFモリーナ、ル・ノルマン、ラングレ、アスピリクエタ、MFジュリアーノ、デ・ポール、マルコス・ジョレンテ(久々に本職ボランチでプレー)、サムエウ・リーノ、FWグリーズマン、フリアン・アルバレスをスタメンで起用している。
前半、ボールを保持して攻め込んだアトレティコは、J・アルバレスが2ゴールを記録。だが、際立っていたのは彼だけではない。起点とんるグリーズマンのパスが凄まじかった。
先制点は12分に生まれる。ペナルティーエリア手前、グリーズマンが左足でフワッとした浮き球のパスをエリア内に送ると、DFラインを抜け出したサムエウ・リーノのシュートがバーに直撃。このこぼれ球をジュリアーノが拾いJ・アルバレスが押し込んだ。また30分にはペナルティーエリア左角のグリーズマンが、再び左足から柔らかいボールをエリア内に送り、これをJ・アルバレスが頭で枠内に流し込んでいる。
昨季からその卓越したプレービジョンと技術を活かして、柔らかなタッチのボールを出すようになっていたグリーズマンは、その“技”が極まりつつあるようだ。なおグリーズマンは今季公式戦成績を15得点9アシスト、フリアン・アルバレスは15得点(ラ・リーガ得点数はこれで9)3アシストとしている。
アトレティコは前半アディショナルタイム1分にもJ・アルバレスがDFラインを抜け出して決定機を迎えるも、これはGKママルダシュビリを眼前にシュートを決め切れず。ハットトリックのチャンスを逃している。
迎えた後半、アトレティコはバレンシアの意地の反撃を受けるも、ミドルレンジからしかシュートを許さず、そうしたシュートもオブラクがことごとくセーブする。シメオネ監督はJ・アルバレスやグリーズマンを下げてスルロット、コレアらを投入。そして86分、勝負を決める3点目が生まれた。カウンターからペナルティーエリア内右でボールを受けたコレアが、対角線上に右足のシュートを決め切っている。アトレティコは3点差のまま、試合終了のホイッスルを聞いた。
3試合ぶり勝利のアトレティコは勝ち点を53として、同日にラス・パルマスと対戦するバルセロナ、翌日にジローナ戦に臨むレアル・マドリーに勝ち点2差をつけて、暫定首位に浮上している。




